友達に誘われて興味本位で行ったところどハマりし、今では毎週末コンカフェに通っている。
推しの女の子はなんでこんなところでバイトしてるんだろうと言うぐらいには可愛いし、話していてとても楽しい。少々馴れ馴れしい面もあるがズケズケ言われるのは嫌いじゃない。毎回推しのおかげで幸せな気持ちになれるが、どうしても苦手な時間がある。チェキ撮影だ。
私が通う店はドリンクシステムがないので(これだけでかなり店舗が絞られるが)推しにバックが入るのはグッズとチェキのみ、グッズは常時買える訳ではないのでチェキを入れなければ推しの客にすらなれない。
しかしこのチェキ撮影がどうも苦手だ。ポーズの案もとっくに尽きているし、何より可愛い推しの隣にブスで平坦な私の顔がのペーっと存在しているのが悲しくなる。いつもチェキを撮るまでは楽しく会話しているのに、いざ撮影の時は顎引いて目を見開いて…と必死になってしまうのが悲しい。それだけ頑張っても結局ブスな顔しか残らないのも悲しい。推しはそれでも「今日盛れてるね」とか色々言ってくれるのだが、どこがどう盛れているのかさっぱり分からない。ブスは何やってもブスだ。それでも悪あがきしたくてカラコン入れてアイプチして…と厚化粧で出向くものだから帰る頃には瞼が疲れて重たい。決して安くはないチェキだが自分を見たくないのでほとんど見返すことはない。
先日推しが休暇を取った。しばらくコンカフェに通う必要がなくなった私は、思い立って埋没をした。とにかく目の縦幅が欲しかったので美容外科医に言われるがまま、末広の二重にした。コロナのおかげで在宅勤務、カメラ会議もないし先日異動したばかりなので職場の人達は私の顔を知らない、まさに絶好のチャンスだった。手術自体はマジで後悔するレベルで痛かったし、痛みの割にこれだけ?と言いたくなるような目の広がり具合であった。自然な仕上がりを希望したので当たり前と言えばそうなのだが。
手術から1週間、ダウンタイムも落ち着いて目の腫れも引いてきた頃(瞼が分厚すぎるのでそれでも腫れてるように見えるのだが)推しの休暇が終わったので早速コンカフェへ向かった。
久しぶり〜と挨拶をした私に、推しは早速「メイク変えた?」と聞いた。客のことをよく見ているなあと感心した。私は少し緊張しながら「メイクも変えたけど、顔も変えたよ」と返した。埋没したことを伝えたのは母以外では初めてだった。「いつの間に!?」「あなたがお休みしてた間に」何て言われるだろうか、と不安だったが、返ってきたのは「私も〜!!」というまさかの言葉だった。埋没ではないが別の手術をしたらしい。目の手術超痛いよね!と整形手術トークでひとしきり盛り上がった後、じゃあ今日のチェキ盛れるんじゃないなんて言いながら撮影をした。出来上がったチェキは今までで1番盛れていた。アイプチと何が違うのか、兎にも角にも目が大きく、はっきりした顔立ちになっていた。今までのチェキは必死で見開いていた目のせいでとても怖い顔になっていたのに、今は自然な笑顔でチェキを撮ることができる。それが楽しくて仕方ない。結局その日と次の日で1万円分ぐらいチェキを撮った。こんなにも晴々しい気持ちでコンカフェを後にするのは初めてだった。久々に、撮ったチェキを見返した。冷静になって見ると顔が推しの1.5倍はあるし、鼻は低いし、前髪はハゲてる。でも、今まで推しの半分くらいしかなかった目は推しの0.8倍ぐらいある。それだけでかなり自信がついた。今後他の場所を整形するかは分からない。埋没だっていつかは取れるし、維持費を考えるとそんなにあれこれいじっていられない。私はまだまだブスだ。でも、一重のブスが二重のブスになっただけでこれだけ人生が楽しい。埋没して良かった。そう思えたのだから成功だったんだろう。早くチェキ撮りに行きたいな。チェキのポーズの案ください。