詰まるほど大量のうんこをした感じはなかった。
だが、詰まってしまった。
何回か流せばいなくなるだろうと数回流したがこれが逆効果だった。
水を流したことで水位が増し、今にもうんこが顕現してしまいそうである。
小学校の時にゴムのスッポンで詰まりを解消した事を思い出し探すがない。
パニックになってしまった私の頭ではもう考えることができないと感じ、仕事のチームメンバーのチャットに助けを求めた。
彼らは5年以上同じプロジェクトメンバーとして仕事をしており、
トラブったときは、深夜であっても相談すると即レスで答えてくれ、一緒に解決策を考えてくれる頼りがいのあるメンバー達だ。
だが、彼らの返事はひどいものであった
実は私はかなり繊細だ。
誰もがうんこをするのはわかっているが、するタイミングを他人に悟られたくないタイプの人間だ。
「あ、この人うんこしてるんだ」って思われたくないタイプの人間だ。
職場であっても、うんこゾーンに入る時は細心の注意を払って入るタイプの人間だ。
隣の個室からでかい屁が聞こえるとプププっと笑ってしまうタイプの人間だ。
家族になったとはいえ、義理の両親は他人だ。できるだけうんこの気配を感じさせずに常にこっそりうんこをしていた。
トイレの時間をできるだけ短くすれば「おしっこかな?」と勘違いしてもらえる可能性を信じ、“もう出る!“ってタイミングまで我慢しうんこをしていた。
「うんこが詰まる」=「確実にうんこをしていた」ということになる。
まさかこのような形で自分のうんこの存在を公開することになってしまうとは思わなかった。
後に聞いた話では、どうやら下水管に木の根が入り込んでおり、たまに詰まることがあるらしい。
私の責任は一切なく(もちろん私のうんこにも責任はない)運が悪かっただけのようだ。
この世は理不尽なことばかりだ。
何故、妻ではなく自分なのか。
悔やんでも悔やみきれない。