イカのさばき方を知ればもっと楽しい! イカマニアによるイカお取り寄せのススメ&食べ尽くしレシピ - ソレドコ (rakuten.jp)
https://srdk.rakuten.jp/entry/2021/02/24/103000
こんな記事を読んで、ふと昔の記憶がよみがえったので記録しておく。
私が中学1年生の夏。
荷をほどくと、中には胴体だけで70センチほどもある大ミズイカが包まれていた。
私は、途方に暮れた。
失踪と言っても、いつものとごく、アルコールで金を使い果たして、
いつものごとくだと、1週間は帰ってこない。
仕方ない。捌くしかない。
どうやって捌いたら良いかわからない、なんならどうやって食べるかも知らない。
もしくは白くて四角い刺身であったり塩辛として瓶詰にされているものだ。
こんなにデカくない。
拳ほどもある眼がデローーーーンとこっちをみている。しかも2つもっ!!!!
仕方ない。捌くしかない。
泣きそうだった。つか泣いた。
ようやく冷蔵庫に入る大きさになって、私は安堵した。
もちろん、イカ墨袋も肝臓も、皮も口も頭の軟骨も、内臓と共にすべて捨て去った。
家の中が生臭くない明日に、私は安堵したのだ。
普段なら、家出をしたら1週間は帰ってこない母が目の前にいる不思議。
今思うと「イカを送ったよ」と通知を受けて帰ってきたのだと思う。
そんなこと思いも浮かばない私は、もう少し早く帰ってきてくれれば、
あんなに怖い思いをしなくて済んだのに、と昨夜のイカとの格闘を思った。
母は、私に「昨日は(家出して)ゴメン」とも言わずに、開口一番「イカの内臓は?」と私に問い、
捨てたと言うと大層がっかりした顔をして「イカはワタが美味いのに」と言った。
私は、捌き残った真っ白なイカの残骸を、決して口にすることはなかった。
こんなに大きなイカ、食べないともったいない、美味しいのに、腐ってしまうと言われても、
腐ったらいいやんとしか思わなかった。
その後、1杯のイカすら、自分で買って調理することはなかった。
今回この記事を見て、イカの皮も肝も全部食べられる事を知って、そして冷凍できることも知って、
あの時恐怖におののいて捨てた巨大なイカの肝達にすまない事をしたと思った。
なので、今度丸ごとのイカを買ってきて、捌いてみようと思う。
きっとすごく美味しいと思うんだ。