2020-10-31

私ではない誰か

今も、これから先も、ずっと忘れられない。

2014年11月21日夕方

ゴミひとつ無く綺麗に片付けられた玄関が、帰宅した私を待っていた。

一目見て、誰かがここに上がり込んだと思った。


部屋は、微妙に物の置き方が違う気配を感じる。

何よりギョッとしたのは、机の上のノートPC

ツイッターアマゾンなど数か所のサイトIDパスワードを書き、PCに貼っておいた付箋が

失くなっているのを見て、全身が震えてきた。


実家、知り合い、友達、思いつく限りの人々に電話をして

今日、ここへ来なかったか?」を確認した。

マンション管理会社にも問い合わせたが、

誰も訪ねてはいないと言う。

警察電話をしても、全く相手にされなかった。


その晩、恐ろしくて明かりを点けて眠った。


その日、2014年11月21日を境に

私の周りで、不可解な出来事が少しずつ始まった。

アマゾンログインしようと、IDパスワードを入れると、

パスワードが正しくないとエラーになった。

他のネットショップも同様、

マイページに入ろうとすると、パスワードが違うとなる。

怖くなり、試しにツイッターを一旦ログアウトして、入り直そうとすると

パスワードが正しくないとエラーになった。


はてなも含めて他のSNSや、ネットショップ

片っ端からログインしようとすると

全て「パスワードが正しくない」と弾かれてしまう。


恐怖で背筋がゾッと寒くなり、思考が停止してしまったようだった。


管理会社相談して鍵を変えて貰った。

ところが今度は、私の外出中に部屋の中の物が

少しずつ失くなる現象が始まった。

ボイスレコーダーを購入し、録音状態にして

棚の物陰に隠して外出してみた。

帰宅してボイスレコーダーを聴いてみると、

私が出て行く音がした後、暫く少しの間の次に

明らかに人が床を踏み締める音に続き、

本か何かだろうか?紙らしきものパラパラめくる音がハッキリと聴こえてきた。


恐怖のあまり、そこで再生を止めた。

そして、その後の記憶が無い。


気付くと、布団に寝かされていて

母が私の横に座っていた。

実家や知人に、めちゃくちゃに電話をかけていたそうだ。


そのマンションは引き払い、実家に戻った。

しかしその後も、あのマンションで起きた一連の出来事が頭から離れず、

病院に通い、家で静かに過ごすことになった。


最近は随分と落ち着き、穏やかに過ごせるようになっていた。

パートだが、復帰する日にちも決まり

「よかったね」と笑顔も戻ってきた。



ところが昨夜、久しぶりに覗いたSNS

私以外の何者かが、私のアカウントで仲良く

見知らぬ人と会話しているのを見てしまった。

私になりすましている・・・


他にも、私の全く知らないショップからメルマガが届き、

会員登録してあることに気付いた。

(ここ、私の実家の住所も正確に書いてある)



あれは一体、何者なのか?


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