2020-09-25

幼少期に虐待を受けた人は自然に人のせいにする

なにか言ったとして、相手が全く予想外の反応をしたとする。

  • 不愉快な顔をした
  • 期待と見当違いの返答をした
  • 思ったより深刻に受け取ってもらえなかった

いろいろあると思う。

こういう時に「何でこの人は私の言っていることを理解してくれないのだろう」と思う人は結構多いと思う。

はっきり言うとこの疑問はそもそもおかしい。だが、全くこの疑問がおかしいことに気が付かない人がいる。

この疑問を持つためには「私の口から発せられた言葉100%自分意図を反映しており、1パターン以外の解釈不可能になるように組み立てられている」必要がある。だが、この疑問を持つ人は全く逆の言葉を使う。

私の思っていることと真逆の内容を口から出しており、いかようにでも解釈できる文章を作っている

のだ。

例えば、今すぐぶん殴りたいくらいムカついているのに「ヤダモー面白いんだから!!!」っていう反応をしたりする。ここで表情との不一致があれば相手も気付くだろうが、これを満面の笑み、ジェスチャーでやっているのだから相手は「あぁ、これでこの人には問題ないのだな」という理解をする。当たり前だろう。

ものすごく深刻な話を冗談めかして言ったりもするのがこういう人の特徴だ。

要は「私の言うことは私の思いとは真逆理解していい」と全身で示しながら「私の言うことを私の思い通りに理解してほしい」と思っているのだ。

相手からしたらまるで罠にはめられたような感じすらするだろう。

で、こういう感じの人は、幼少期に虐待を受けている場合がある。

ここで言う虐待というのは、殴られたり罵られたり、ということではない。

相手が怖すぎて自分の思いを捻じ曲げて発信すること」以外の選択肢がなかった人のことだ。

例えば、親の出した食事匂いだけで吐きそうなくらいまずかったとしても、正直に「美味しくない、食べたくない」と言ったら自分に何が怒るのか想像もできないくらい緊張した家庭にいるなら、その子供は「うん!美味しい!おかわり!」とまで言うのだ。それが親が機嫌よくなるのなら。

自分意見を述べるだけで豹変する親はいる。YesとNo、どちらを使っても怒らない親の下で育った多数の人には気づかないだろう。たとえ病気になってでもYesと言うことが正しいという親はいる。

だが、このことをまっすぐそのまま述べる親はいない。当たり前だ、もしそんなことをバカ正直に言えば自分立場が悪くなる。子供学校で「僕のお母さん、嫌だって言うと殴るんだ」と言わせてはいけない。「僕はお母さんが大好きだから、言うことを聞きます」という模範解答を出させなくてはならない。これだけで、ひどい虐待親が子供の躾が行き届いた立派な親になれる。

では、どう言うか。

あなたのためなんだからやりなさい」

とか

あなたが言うことを聞いてくれないのが私は悲しくて仕方がない」

とかだ。

客観的に見れば「Yes」以外の選択肢を一切子供から奪い取る言葉なのだが、子供が「言うことを聞かない自分が悪かったのだな」と捻じ曲げてくれる魔法言葉だ。

ただ、こんな親でも100回に1回位は「そんな事言わせてゴメンね、本当は嫌だったよね」と理解してくれたりする。もしくは「子供自分意見をきちんと言うべきよ」と何故か他の人には言ったりする。

こういう矛盾の中で生きている子供にとって最大の恐怖は「自分の思いを率直に言うこと」だ。

そのまま大人になればYesマンになる。

自分の思いを捻じ曲げていることが基準になるので、相手もそう言っていると解釈することが自然になる。

話は戻って、「何であの人は私の言うことをきちんと理解してくれないのか」という疑問に映る。

自分自分の言うことを捻じ曲げて話している。そして相手にはこの捻じ曲げを捻じ曲げ直してもとに戻すことを期待している。

「もうこれが好きでしょうがない」と言ったなら「あぁ、本当は嫌なのに無理して好きだと言っているのだな」と理解してほしい。ネジ曲がった言葉を捻じ曲げ直せばそうなる、と素朴に考えている。

だが、人によってはネジ曲がったまま受け取る、更に捻じ曲げて受け取る、自分が思ったほど捻じ曲げ直してくれない、など様々だ。

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