2年前友人が自殺未遂をした。
2年間ずっとこのことが心のおもりのようになっていたが、ようやく少しだけ吐き出して身軽になれそうなのでここに書くことにする。
ずっと気持ちの整理がつかなくてこのように文章にすることすらもできなかった。
特定を避けるためにところどころ虚偽の情報を入れている。それによって多少不自然なところがあるかもしれない。
その友人とはすごく仲がいいというわけではなかったが、近所に住んでいて会えばそれなりに話すような仲ではあった。
事が起きる数日前には「もうすぐ重要なプレゼンがあるから頑張らないといけない」などと話す友人に、「がんばれよ」などと言った。
本当にたまたま事務的な用事があり、その日はその友人の家に行った。
細かいことは省略するが、「ドン」という音がして、見てみると友人が真っ青な顔になって横たわっていた。
あまりにも肌の色が真っ青だったので、見つけてすぐはその青い人が自分の知っている友人だとは思えなかったほどだ。
自分は急いで119番通報をして、近所の人に協力を仰いで一緒に軽い応急手当や救急隊の誘導などを行った。
初めて119番通報をしたのだが、焦りのあまり「火事ですか?救急ですか?」などと聞かれても一瞬何のことだか分からず「人が~して倒れていて・・」などとモゴモゴと要領を得ない返事をしてしまった。そして見るからに状況は自殺(未遂)なのに、自分はひたすら「自殺とかではないと思うんですけど」と聞かれてもいないのに繰り返していた。
呼吸はしっかりしていたが体の一部が痙攣していて、こういうときってAEDを使うのだろうかなど迷いつつも見つからないうちに救急車が来た。
一応救急車には同乗したが、何をしていいのか分からずただちょこんと座っていた。このような状況で「頑張って!」などと言うのも違う気がする。救急車でも何度か「悲鳴みたいなのが聞こえたので、自殺とかではないと思うんですけど」とうわ言のように繰り返した。
一応怪我をした経緯を訊かれたが、それすら形だけという様子で、医療者は友人の怪我しか見ていないようだった。
友人はかなり危ない怪我をしたようだったが、幸い命は助かったらしい。重度の後遺症も残っていないということを風の便りで聞いた。
友人は引っ越してどこかに行ってしまった。休職か退職なのかは分からないが、とりあえず仕事からも離れているようだ。
もう二度とその友人に会うことはないだろう。自分の中で、その友人は驚くほど青白かったその日のままだ。
自分はというと、その日の光景のフラッシュバックに何回か悩まされた。また、友人の件以外にもいろいろな負荷がかかって、しばらくメンタルクリニックに通っていたこともあった。今ではほぼ完全に回復して普段通りに過ごしている。
しかし、今でもその友人の自殺未遂と同じようなシチュエーションに出くわすと、心にざらっと鳥肌が立つことがある。これは一生かもしれない。
大変な経験をされましたね… 話に内容から判断すると、ご友人は命の恩人である貴方に報いるどころかないがしろにしているように思えます。 死のトラウマから逃れたいということなの...
お前はよくやった。人の命を救ったんだぞ。本人から感謝されることはないかも知れないが、 そいつの家族、未来の家族からは感謝されるだろう。それを誇りに生きていけ。