2020-08-06

2年前、友人が自殺未遂をした

2年前友人が自殺未遂をした。

2年間ずっとこのことが心のおもりのようになっていたが、ようやく少しだけ吐き出して身軽になれそうなのでここに書くことにする。

ずっと気持ちの整理がつかなくてこのように文章にすることすらもできなかった。

特定を避けるためにところどころ虚偽の情報を入れている。それによって多少不自然なところがあるかもしれない。

その友人とはすごく仲がいいというわけではなかったが、近所に住んでいて会えばそれなりに話すような仲ではあった。

事が起きる数日前には「もうすぐ重要プレゼンがあるから頑張らないといけない」などと話す友人に、「がんばれよ」などと言った。

本当にたまたま事務的用事があり、その日はその友人の家に行った。

かいことは省略するが、「ドン」という音がして、見てみると友人が真っ青な顔になって横たわっていた。

まりにも肌の色が真っ青だったので、見つけてすぐはその青い人が自分の知っている友人だとは思えなかったほどだ。

自分は急いで119番通報をして、近所の人に協力を仰いで一緒に軽い応急手当や救急隊の誘導などを行った。

初めて119番通報をしたのだが、焦りのあまり火事ですか?救急ですか?」などと聞かれても一瞬何のことだか分からず「人が~して倒れていて・・」などとモゴモゴと要領を得ない返事をしてしまった。そして見るからに状況は自殺(未遂)なのに、自分はひたすら「自殺とかではないと思うんですけど」と聞かれてもいないのに繰り返していた。

呼吸はしっかりしていたが体の一部が痙攣していて、こういうときってAEDを使うのだろうかなど迷いつつも見つからないうちに救急車が来た。

一応救急車には同乗したが、何をしていいのか分からずただちょこんと座っていた。このような状況で「頑張って!」などと言うのも違う気がする。救急車でも何度か「悲鳴みたいなのが聞こえたので、自殺とかではないと思うんですけど」とうわ言のように繰り返した。

病院に着いたら、あっさりと自分は帰された。

一応怪我をした経緯を訊かれたが、それすら形だけという様子で、医療者は友人の怪我しか見ていないようだった。

なんというか「プロだな…」などと思いながら1人帰宅した。

友人はかなり危ない怪我をしたようだったが、幸い命は助かったらしい。重度の後遺症も残っていないということを風の便りで聞いた。

友人は引っ越してどこかに行ってしまった。休職退職なのかは分からないが、とりあえず仕事からも離れているようだ。

LINEアカウントも消したようで、連絡はとれない。

もう二度とその友人に会うことはないだろう。自分の中で、その友人は驚くほど青白かったその日のままだ。

自分はというと、その日の光景フラッシュバックに何回か悩まされた。また、友人の件以外にもいろいろな負荷がかかって、しばらくメンタルクリニックに通っていたこともあった。今ではほぼ完全に回復して普段通りに過ごしている。

しかし、今でもその友人の自殺未遂と同じようなシチュエーションに出くわすと、心にざらっと鳥肌が立つことがある。これは一生かもしれない。

それぐらいだ。自分の中ではこのことはもう終わったことだ。

実は自分若い頃はずっと死にたい、生きていたくないと思いながら生きていた。自殺する計画を立てたこともあった。

でも、あの青い体をぼんやりと思い出すたびに、自分は一生自殺はしないだろうな、と思う。

  • 大変な経験をされましたね… 話に内容から判断すると、ご友人は命の恩人である貴方に報いるどころかないがしろにしているように思えます。 死のトラウマから逃れたいということなの...

  • お前はよくやった。人の命を救ったんだぞ。本人から感謝されることはないかも知れないが、 そいつの家族、未来の家族からは感謝されるだろう。それを誇りに生きていけ。

記事への反応(ブックマークコメント)

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