2020-06-07

BlackList/WhiteList 問題

この辺りを起点に BlackList/WhiteList と言う単語を言い換えようと言う話が再燃している。これまでも定期的に話題になっていたネタではあるが、今回のアメリカでの一連の騒動もあって、今までよりも話題になっている気はする。

当人、あるいは賛同者にとっては「単に BlackList と言う名前を BlockList に言い換えるだけだろう?何がそんなに難しい訳?」と思っているのだろうと想像される(尚、BlackList の言い換えとして BlockList 以外にも DenyList と言う候補も挙がっている)。実際、多くの領域にとってはそうだろうし、自分自身も恐らくは今後、BlackList/WhiteList と言う単語積極的には使わないだろうと思う。

ただし、それは今後の実装、あるいはこれまでの内部実装の話であって、既に公開されているライブラリフレームワークAPI、あるいはソフトウェアの設定項目になると話は変わる。既に公開されている API や公開済の設定項目を変える(破壊的変更)には、利用規模にもよるが相応の犠牲を伴う。今後、この一連の主張に迎合した場合、「BlackList や WhiteList と言う単語を別ののもに置き換える」と言う行動は「MAYから「SHOULD」に、「SHOULD」から「MUST」になる可能性がある。そうなった場合、この言い換えに対して、各種開発者利用者が払うコストは決して小さくない。

不謹慎単語問題に関しては、上記以外にも maser/slave や、killer などにも目が向けられている。この話に従うなら、ある日、突然 git の master リポジトリが primary リポジトリになっているかもしれない。実際、GitHub の公式 CLI ツール用リポジトリ は master と言う名前をやめて trunk と言う名前を使う事にした。また、前述した単語がふさわしくないのでプロジェクト名や公開設定等を含めてを変えてしまおうと言う issue も現実問題として立ち始めている。

差別主義に組したくはないし、既存社会問題が解消するのであれば協力はしたいと言う気持ちは持っている。また、私自身、人種問題、あるいは人種問題に関連したアメリカ(?欧米全体?)の社会的構造に詳しい訳でもない。ただ、上記のような行動は、何らかのソフトウェアライブラリを公開している一開発者として、別の危機感を覚える。

黄色人種」と呼ばれる私から見ると、「黒人」と呼ばれている人たちの肌の色は「黒」ではないし、「白人」と呼ばれている人たちの肌の色も「白」ではないと思う。言葉問題と言うのであれば、「黒人」や「白人」と言う呼び名の方が、もっと適切な名前に変わる事を願うばかりである

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