2020-01-30

高齢者スマートフォン

看護師をしているので、必然的高齢者とよく話す。若い患者よりも高齢者の方が得意だ。自分がちょうど孫くらいの年齢になるので無条件でかわいがってもらえる…というのはさておき。

個人的に生きることは苦行のようなものだと思っている。楽しいこともたくさんあるから苦行の一言では済ませられないけれど、やっぱりしんどいことの方が多い気がするのだ。そのようなもの高齢者は70年80年、人によってはそれ以上の年月をかけて続けてきたのだと考えればそれだけで尊敬対象になる。本人達にその自覚はないことの方が多いけれど。

ただ、その中でも特別にすごいな〜と思うのはスマホを使っている高齢者だ。

スマホを使っている高齢者はあまりいない。体感だと30人に一人いるかな、というくらい。スマホなんだ?って聞くと「家族に持たされたんだよ」とか「NHKで講座があってね」とか、ちょっと照れ臭そうに教えてくれる。私にとってスマホはあって当たり前のものだけれど、その人達からすれば新しいものなのだろうし、それを使っている自分は少しだけ恥ずかしいのかもしれない。かわいいなって思う。そうしてそれ以上に感心する。

自分後期高齢者になったときに彼らにとってのスマホのような新しい文明を使えるかな?使いこなせるまではいかなくても使ってみようと思えるのかな。思わない気がするんだよなあ。

高齢者環境の変化に耐えられないことが多い。入院による混乱で、スマホの使い方を忘れてしまったおばあちゃんラインの仕方を教える時間が好きだった。ここを押せばトーク画面になるんだよって笑うと「そうだったそうだった」とたくさんお礼を言ってくれた。退院する頃になれば私に聞くまでもなく一人でウェブ検索をしていたけれど。そのくらいに変化に弱い高齢者が新しい文明を手にしてその使い方を覚えるってほんとうにすごいことだよな、と思うし、そういうチャレンジ精神だとか新しいものに対する好奇心だとか。困ったときに人に頼れるところだとか。目の当たりにするとこういう高齢者になりたいな〜と思うのである

祖父暮らしていた頃は二週間に一度の頻度でキーボードローマ字入力かな入力に戻してくれ!と頼まれることを面倒に感じていたんだけれど。あの歳でパソコンを使ってクックパッドを開いていた祖父もすごかったんだ…と今になればわかる。もしも実家に戻ることがあればそのときは優しく教えてあげたい。

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