当方理系の学生だが、意識の低い履修登録の結果、文学の講義を取ることになった。
卒業に必要な一般科目の単位は足りていたが、1つは楽しく受けれる講義があればいいな、と思い履修することにした。(別に理系科目が嫌いな訳ではないが、計算しないで考えに耽る科目があってもいいと思ったのだ。)
その先生は1回目から遅れて講義室に入ってきた。座り次第、もう少し前に詰めろと指示し、しぶしぶ前に座った生徒の出席を取り始めた。前期の一般科目で大半の生徒が必要な単位数を確保しているからか、後期のこの科目はほとんど人が居なかった。全員集めて20人くらいだろうか。教室自体が100人は収容できるから、とにかくスカスカである。
先生は評価方法と出席、テストについて形式的に話したあと、文学とは何か?を説明し始めた。始めこそ文学理論の概要について話し初めて、「なんだか気難しいな…」とか思いつつ上の空で聞いていたが、いつの間にか自分の推し作品や趣味のサバゲーについての話にすり替わっていた。この先生、妙に人間らしい…と思った時には話を真剣に聞いていた自分が居た。
創作でも現実でも、俺は人間らしさのある人物を眺めるのが好きだ。完璧主義や仏みたいに寛容な人間も嫌いではないが、それよりも欲が見えたり、嫉妬深かったり、好きな事だけ早口になる人間の方が眺めていて楽しいのだ。理系科目の先生は基本的に論理的で、隙がなく、まるで機械のようにタスクをこなすが、彼女は違った。賭け事が好きで、金をかけて遊ぶサバゲーが好きで、帝王切開を乗り越えるために歴史小説で切腹に慣れようとする。良くも悪くも人間だった。
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終わり間際で女の先生とわかって結構驚いた。個人的体験から爺ちゃん先生を念頭に読み始めて、趣味がサバゲーって出てきて年齢は下方修正したけど、まさかそう来るとは。昔エアガ...
anond:20191011152715 の続き。 その授業は全くといっていいほど、眠くならなかった。 先生は結局、自分の好きな作品語りで講義時間を使い果たしてしまった。ただ好きな著者や作品を語る...