私の見識だと、クリエイター(例:作家)やそのパートナー(例:編集者)としてそれなりに働けている人間は、流行に敏感で且つ常にこの先何があるのかということをよく考えている人間が多いように感じる。
おそらく、それは創作者に限らず役場の人間やオフィスの人間でも同じことで、ある程度の時代の流れを感じ、上手に乗れる人が器用に世渡りできる。
ミーハー、という言葉がある。当時、どの立場の人間が発した言葉かは知らない。ミーハーであることを敵視し、いわゆる「ガチ勢」を賛美する風潮は、けっこう良くないと思っている。働く上で必要な知識なんかは、それは仕方がない。だが、「トレンドなんかに流されない」ことを賛美する風潮は、結局生きづらい人間を多くうむ。個人がどうあろうと、時代を作っていこうと前進する人間はいつの時代もいて、彼らがいる限り潮流は止まらないからだ。
一昨日地元の友達と会って酒を飲んだとき「俺らは古い」という話をした。
彼とはアニメや漫画の趣味が合い、中学時代から数えてもう七年ほどつるんでいる。私も彼も大学に在籍しているが、なんとなく、そこにいる人間たちに背を向けて、自分の世界を追求する傾向が共通している。なんなら好きなアニメも00'sものばかりだ。結局我々はお互い以外の人間とアニメの話がしっかり合うことはあまりなく、家は近くない割には会う頻度がけっこう高い。
流行に乗ろうとした時期が何度も何度もあったが、結局いつのまにか興味を示さなくなっていた。飲まれないでいいから、せめて、追いかけるだけでもしていた方が、自分は楽に生きられるなと思っているのに、多分2ちゃんをやっている間に過去の賛美者になってしまったのだろう。
そういう生き方を否定することはできない。事実、それで上手に生きている人間も知っている。しかし自分の中途半端さを考えると、やっていける自信はない。仕事も見つからず、女も捕まらず、友達もできず、部屋で一人腐敗する未来が見える。