4月にマツモトキヨシとココカラファインが提携を進めると発表し
4月にマツキヨとココカラが提携を発表したときは、単なる提携話で、
くっと勢力の強いマツキヨがイニシアチブを取るんだろうなくらいにしか思われない。
ただ、ここに来てココカラがスギ薬局と提携するなどと発表したことで、
実はこの提携話、裏では各社の非常にドロドロとした思惑が隠れているのではないかと思い始めた。
以下は妄想だ。
経営統合すれば、当然、経営における各社の主導権争いとなるし、
マツキヨとココカラが提携するという、マツキヨvsココカラという話で見たとき、
つまり単純に考えれば、この2社であれば、ココカラはマツキヨに統合される。
この提携話が出たのは4/26のことだ。
この時点では非常に単純な話だ。
しかし6/1になって、ココカラはスギ薬局と提携を進めるとも発表する。
店舗数こそココカラ>スギ薬局だが、売上高はスギ薬局>ココカラである。
スギ薬局の思惑はこうだろう。
・ココカラを吸収すれば、マツキヨもさることながら、他のHDにも圧倒的に勝てる。
・ココカラとの業務提携は、売上高が大きいスギ薬局が主導権を取れるはずだ。
おそらくこんな思惑でココカラと業務提携の話を水面下で進めていたに違いない。
しかし、4/26にココカラはマツキヨとの提携を進めると発表する。
ココカラとマツキヨが提携するとどうなるか。その売上高はスギ薬局を遥かに超える。
当然、スギ薬局が進めようとしていた提携話で、スギ薬局が主導権を取ることはなくなるだろう。
しかし、ココカラとマツキヨの提携では、マツキヨのほうが売上高が高い。
つまりこの両者の提携話で主導権を取るのは、ココカラではなく、マツキヨだろう。
そうなればココカラは、スギ薬局との提携で主導権を取るどころの話ではなくなる。
6/1に発表されたココカラのプレスリリースを読むと、ココカラとマツキヨの提携話が表に出た
それもそのはず、スギ薬局としては、マツキヨより先にココカラと提携してしまわないと、
主導権を取れず、業界トップシェアに行くことはもはやできなくなる。
おそらく、マツキヨはココカラとスギ薬局が提携を進めようとしていることを知らず、
スギ薬局は、ココカラとマツキヨが提携を進めようとしていることを知らなかった。
両方から提携話が来ていたココカラは、これらの打診をうまく利用することにしたのではないか。
ココカラはマツキヨに対し、スギ薬局と提携を進めることを利用し、提携後の主導権を取りに行き、
スギ薬局に対しては、マツキヨと提携を進めることを利用し、同じく主導権を取りに行ったのだ。
上記を物語るのは、この提携話が「3社提携ではない」ことである。
この話は、あくまでもココカラが両者との提携を進めると言っているに過ぎず、3者が協力するという話は
一言も書かれていない。
マツキヨは、おそらくココカラと提携して、マツキヨブランドを日本一にすべく動いていただろう。
しかしココカラは、裏で進んでいたスギ薬局との提携を利用し、マツキヨを脅しにかかったのではないか。
「先にスギ薬局と提携してしまえば、うちの方がでかくなりますよね」と。
ココカラのプレスリリースでは、スギ薬局が提携を持ちかけてきたとある。
個々からが持ちかけたのではなく、スギ薬局側が言ってきたのだから、という体なら話もしやすいだろう。
これでマツキヨ・ココカラ連合の主導権は、現時点で最も売上高が大きいマツキヨではなく、
・・・として締めくくりたいが、まだこの話は終わらない。
しかし、スギ薬局とココカラは、前述の通り売上高がスギ薬局>ココカラであり、
スギ薬局の方が強いのだ。
スギ薬局もまた、ココカラとマツキヨの提携話を利用し、覇権を取りに来ているのだ。
ココカラとマツキヨの提携話が出た後の、スギ薬局の思惑としてはこうだろう。
・ココカラとマツキヨが提携する前に、何としてでもココカラとの提携を成立させる
・ココカラとの提携は、売上高が大きいスギ薬局の方が有利に進めるはず
ココカラとしては、前述の話からしても、マツキヨに吸収されまいと、スギ薬局の提案に乗るしかないのだ。
スギ薬局はそこをうまく利用した。そして今回の発表だ。
実はこの勝負、最も頭が切れているのはスギ薬局なのかもしれない。
だが一番大きなところが主導権を取る、という単純な話で終わらなさそうなのが、この話の面白いところだ。
はい風説のるる
だから、私はサンドラッグ。
ドラッグストア業界って銀行より欲深くて闇深そう