2018-12-19

パパが家出しました

というタイトルメールが、実家の母から夜届く。

この年の瀬に、まさに晴天の霹靂

ちなみにわたしアラフィフの年齢。飛行機距離に住んでいる。

すわ痴呆と、とりあえず母にこわごわ電話してみる。

「ご無沙汰~」とか言っている。

「この前送ってもらった大根、美味しかったよ」とか言っている。

「あ、メール見た?パパが家出しちゃって云々 ”ほかの女の人”と会う段取りで云々」とか言っている。

支離滅裂でもなければ、取り乱しもせず、やり取りも明瞭。

とりあえず慎重に話を聞いてから、父に電話してみる。

「なんか家出したって聞いたけど」「そうだよ~」とか言っている。

束縛、息苦しさ、というワード女性の件も否定はしないものの、「残りの人生を、より仕事に集中したい」とか言っている。

声に怒りや悲壮感はない。

「とりあえずわかった。また連絡して」と電話を切るものの、いやはやわからない。

正直さっぱり事態が呑み込めない。

消化できない感じ。


父は冷静で沈着、思慮深く、女性問題など無縁という印象。

わたし実家を出て、家庭を持って20年あまり夫婦淡々と穏やかな日々を過ごしているものとばかり思っていた。

仕事って書いたけど、両親とも芸術家。”ほかの女の人”も芸術家。全員、同じ分野の芸術

わたしだけ全く畑違いの仕事

その”ほかの女の人”を検索してみる。

写真を見るが、これまたピンと来ない。いや決して貶しているわけではない。

いわゆる不倫とかってダークなイメージが感じられない。普通の人。

見た感じ、親子ほどの年齢差。

あの父が、家出して、この女性に会いにいく。

その女性は、父の作品の大変なファンのようだ。畏敬の念が伝わってくる。

そして、父もその女性の才能を認め、合作したこともある様子。


才能が惹きあうのか。

それは人間には決して抗えず、中和することも消すこともできない、強大な力なのだろう。

わたしが知らなかった力学

ちょっと変わった両親と思っていたけど、つまるところ、わたしのような普通の人同士とは、違う構造で成り立っていた関係なのかもしれない。

そして、より大きな才能が発生し、より大きな引力が発生した?

つらつら書いたが全然まとまらない。相変わらず腑には落ちない。

結局、わたしはどうしたいのか、どうしてほしいのか、どうすべきなのか。

家族像が崩れる衝撃。

文芸映画のような、抽象性、難解さ。

消えない非現実感

女性関係を指摘する母の心情と、「戻ってきてくれると嬉しいと伝えて」という母の言葉けが、とてつもなく生々しく感じる。

  • 相手の女の人がお母さんとあなたを知ってやってるなら、大人の世界のことだからと飲み込むしかないけど、年金とか相続とかで面倒なことになるから、同級生で弁護士になったひとを...

    • 相続が面倒になるねぇ。 ただ相続は何を持って正当化するのか? 自分で稼いだ財産ぐらい好きにさせてあげたら?と思うが。 ただしこれが言えるのも本人がピンピンコロリな場合。 ...

      • お母様がまずこまりそして子供。年金なくなった、子供が面倒みろってなるかも。 生前贈与はとか。 ま、サラリーマンだけかもしれんけど

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  • まあ、人間関係云々より、芸術を優先するって価値観が両親ともに形成されてるんやろなあ

  • ゼニカネが絡んでくるのが厄介なんよな 親がゼニ持ってれば問題ないんだけどさ。 婚姻解消してからやってほしい。まじで。

  • なー よかったじゃんお母さんから最大の教訓もらって 男なんてまともに人生注いで愛すだけ、損な存在の可能性が高いって事だよ 気持ちが動いてもまともな人間なら最低限これまでリ...

  • 先日の日記 パパが家出しました に多くのコメントを頂いている。 すべてのコメントに回答することはできないが、全部目を通させていただいた。 本当にありがたい。どうもありがと...

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    • こういうのオタクが書きそうな感情表現多いよねこのサイト これが増田文学(笑)ってやつ? ごめん文章の内容には興味湧かなかったからノーコメントで🙏

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