近所で工事してたお兄さん達と仲良くなって、蕎麦屋で飲んでた。
そしたら店に有名人が大勢でやってきてお祭り騒ぎになったから、別の店に行こうって電車に乗って移動した。
着いた先の地酒の店で働くことになって、皿洗いチームで仲良くやってたけど
授業の中でみんなそれぞれ今日1日で変わったことを発表する時に、
片言の英語で「視力が良くなりました」って言ったら少しだけ笑いが起こった。
終業のベルが鳴った後、「さっきのめっちゃうけたんですけど!日本から来たの?」って
すらっとしてさらっとした髪のスポーツ系長身白人少女に流暢な日本語で声をかけられ、
自分の能力に自信アリアリな態度にイラっときてずっと片言の英語で対応してた。
しばらく一緒に歩きながら話をしつつブラブラ公園に向かう途中、
夥しい数の鳥の糞が落ちてるのを発見、瞬時に警戒体制に入り上空を見上げるも、既に生暖かいハトの糞が腕に付いていた。
彼女とハンカチ貸すよ汚いから遠慮するよ遠慮なく使ってよとりあえず洗おうよ的ないちゃいちゃをした後、
あざ笑うかのように鳩の群れが地面に降り立った。
復讐してやる。
なあに、ちよつと、おどかして、みるだけの、いたづらさ。
スッと近づきパッと足を出しサッと首を突いてやった。連中バーっと羽音立てて驚いて逃げてやんの。ぷふー愉快愉快。
その中に一羽、俺に対して敢然と立ち向かう、立ち姿の美しいオスがいた。ほお、何か文句の一つもありそうなお方だ。
ジリジリと間合いを詰められ、まるで舞台袖にいるような、あるいは飛び込み台の上に立つような、それに近い緊張感が辺りを包む。
遠くで聞こえた飛び立つ羽音が合図だったかのように、彼が俺の右足に狙いをつけてクチバシを振るう。
そうはいくかと右足を引き、返す刀の左足刀が首を狙う。瞬間、向きを変えたクチバシが俺の左足を受け止めた。
パッと距離をとる。
「こいつ、なかなかやるぞ」
「こいつ、なかなかやるな」
もうこれ以上続けることに益はない。
「いい出会いだ」
「いい出会いだった」
鳩胸の内に微かな温かみを感じた瞬間だった。
「こんのクサレケツァルコアトルがー!!」
響く罵声、轟く羽音。
覚醒。