四十数年生きてきて、交わりのあった学会員はほんの数名。
にこやかで温厚な老夫婦。
家の塀に公明党のポスターや聖教新聞の看板が貼ってあるのでそれとわかる程度。
あ、たまに太鼓の音が聞こえてたな。迷惑とは感じていなかった。
在学中は学会員であることを片鱗も感じさせなかったが、卒業後は選挙のたびに投票のお願いの電話がかかってくるようになった。
成人してからは俺にもかけてくるようになったが、言うても選挙の時だけだし、強引な感じはなく「お願い」レベル。
懐かしいので世間話などしつつ、投票については角を立てないように「検討しますねー」とだけお返事。
バイト先の先輩。
わりと熱心な会員だったようだけど特に勧誘などはされなかった。
そのかわり集会の手伝いなどを頼まれたことは一、二度ある(ちゃんと日当をいただいた)。
彼女が学会大嫌いだったので結婚を機に脱会したと風の噂に聞いた。
ネッ友。
むかし出入りしていた掲示板で、学会員であることをある種の「ウリ」にしていたメンバーがいた。
掲示板上では当然猛烈にイジられていたが、ムキなるでも見下すでもなく、話を振られれば淡々と信仰のいいところや悪いところを語っていた。
自分の身近で信仰について自分の言葉で話す人に会ったのは彼が初めてで、いろいろ考えるきっかけになるいい出会いだった。
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