2018-03-08

オフをやめた

とあるジャンル同人誌を出している。ネット上にも小説を上げている。

ひとつ前に出していたジャンルではあまり売れなかった。全くと言っていいぐらいに売れなかった。ジャンル友達もいないので他人がどれぐらい売れているかなんて聞いたことはない。それでも毎回20部売れれば良いほうだった。

閲覧数も少ない。評価も少ない。つまり人気はない。

自分文章が下手だからだと思った。面白くないから読まれないのだと思った。他の同カップリング書き手は(片手の指ほどもいなかったけれども)パロがうまいとかエロうまいとかキャッチーな部分がある。自分はそれがない。だから人気が無いのだと思った。

面白い話を書きたくて、映画を見た。小説を読んだ。面白い話の構造を分解してどうして面白いか探ろうとした。売れている物をなるべく見るようにした。

とあるジャンルにハマってそちらで小説を書き始めた。前のジャンルの数十倍は人がいる。比喩ではない。私の書く小説ですら、閲覧数が20倍になったので人がいる。このあたりで他人と比べてしまうのが嫌で、スタイルシートを変更して閲覧数と評価数が見えないようにした。

話の傾向は変わらない。キャッチーさはない。エロ殆どない。面白パラレルが書けるわけではない。好きなものを好きに書いた。

感想を時折もらえるようになった。人が多いからだろうと思った。

同人誌を書いた。即売会に出た。売れた。前のジャンルと同じ部数を刷ったらすぐに捌けた。

次の即売会では倍にした。捌けた。感想を言いに来てくれた人がいた。

その次の即売会では1.5倍にした。それでも捌けた。今度こそ余ると思っていた。

この時、売り子として友達に入ってもらったお陰で周囲を見る余裕ができた。同じ島で一番人が並んでいた。

書いている話の傾向は変わらない。文章力は上がったとは思えない。何も変わっていないはずだった。なのに売れる本の冊数も10倍近くなった。

ジャンルが変わるとこれだけの人に見てもらえる。怖くなった。今は売れている、反応もある、感想ももらえる。でもこれはジャンルのおかげだ。私自身の文章力や話の構成力、キャラ再現力がどうなのかわからない。傲るのが怖かった。自分の話が上手いんじゃないか勘違いするのが怖くなった。下駄を履かせてくれるジャンル自体が怖くなった。他の人より売れている、人が来てくれる、嬉しい、そう思ってしまった自分嫌悪感を持った。

オフをやめた。話は書き続けている。相変わらず閲覧数や評価を見えないようにしている。面白い話を書きたくて映画小説漫画を取り込むようにしている。構造分析もするようにしている。好きな子たちが萌えることをしているところを、少しでも面白い話として読みたい。でも他人と較べてしまうのは嫌だ。

オフはまたやらないのですかとたまに訊かれる。オンは1万字程度しか書かない。オフ10万字前後の話を書いていた。長い話を楽しんでもらえるのは嬉しい。そのうちオンライン上に長い話をアップしたい。

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