正直なところうんざりしている。
加計学園や森友の問題、またいわゆる共謀罪の問題、そして防衛大臣の件において、前国会は大荒れだったわけだが、
現政権は国会延長も行わず、審議は尽くされたとして、国会は閉会した。
もちろんこの判断は7月2日の東京都議選を踏まえたものであったのだろうけれど、結果都議会自民党は惨敗した。
直近の世論調査では、内閣支持率が30%台まで落ち込んでいるところもあるようだ。
ただ、ぼくがうんざりしているというのは、このことに関してではなく、安倍首相が進めようとしている憲法改正に絡む諸問題のことである。
本年の通常国会閉会後、野党は国会の審議が不十分と判断し、憲法53条を根拠に臨時国会の開催を召集した。
その憲法条文を見てみる。
「日本国憲法第53条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」
現政権は、報道を見る限りこれに応じる気配はない。憲法上期日の指定がないからという理由で。
こちらも報道にで言われているように、野党からの請求に応じないという対応は、現政権下では二度目になる。
平成27年の第189回通常国会終了後、臨時会召集を野党が要求したのは同年10月21日。この年は通常国会が大幅に延長されており、
10月前まで国会が続いていたが、結局この召集において臨時会が招集されることはなかった。総理の外遊もあったが、結局過去の事例と
同様に通常国会の開催までの日数が多くないと判断されたからだと思う。
さて、さすがに今年の場合は、次の通常国会まで臨時国会を開催しない、という対応は取れないとは思う。180日もの間が開くのは、
無理だろうという判断と、おそらく8月に行われる内閣改造後の29年度補正予算の審議のために、臨時国会は与党自ら開催しないといけなくなるからだ。
ただ、可能な限り後ろに伸ばそうとするに違いない。僕はこのことに非常にうんざりする。
「自民党憲法草案第53条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。」
露呈したのは、この憲法草案を元に、憲法改正を建議するといいながら、実際は、現行憲法を自らの都合のいいように解釈する現政権の姿である。
これこそ、憲法に対する冒涜であり、憲法草案を作成した自民党を支持する人に対する冒涜であり、そして何より自分自身を貶める行為ではないのか。