2017-04-05

音楽先生

先日から久しぶりに実家に来ている

私は帰省しても誰にも連絡をしようとしない

友だちがいないわけじゃない

帰ったという報告を受けていない友だちから

帰って来てる?って誘われることを待つクソ受け身

当然LINEが来るはずもないから凄く暇

テレビ観てテレビ観て寝まくる毎日

本を読もうと思ってもダラけさせる実家空気

今日こそは母親仕事が終わる1時間から

繁華街カフェ読書しようと家を出た

私は免許を持ってない

でもバス停まで少し歩くしバスに乗りたくない

ということで、タクシー乗車

電話して家まで来てもらって、いざ繁華街

目的地に着こうとしているとき

から中学時代音楽先生を見かけた

すぐにわかった

7年ぶりに見るその姿は全く変わっていなくて

赤毛で前髪が長いショートカットボブ

昔のお面のような形相

気が強そうな細いヒールタイトスカート

少しだけ出た下っ腹

驚くほど昔と一緒だった

でも名前が思い出せない

学生ときも何て呼んでいたのかわからない

おそらくこの人はずっと私の中では

中学とき音楽先生」という名前

私はピアノ習い事をしていた

そのため中学1、2、3年生の合唱コンクール

卒業式伴奏担当した経験がある

その際、先生にはお世話になった

この先生は人の顔と名前記憶することが

苦手な症状があると最初の授業で言っていた

音楽への愛情が強く情熱的な人だった

いつも何かに怒っていて怖かった

先生が付く合唱練習なんて緊張で吐きそうだった

怒鳴られたことは何度もあるし

全校生徒の前で楽譜を投げられたこともあるし

まりの出来なさに皆とは別の部屋で1人

伴奏練習させられたこともある

早口唐突でとにかく恐ろしくて

何て言っているのか理解出来なかった

頻繁に怒らせて叫ばせてしまった

それでも学年が上がるにつれて

伴奏の話を持ちかけて来てくれた

3年生のころには顔を見て名前を呼んでくれた

タクシーから降りて先生挨拶することも出来た

でもしなかった

見かけて気付くだけ

例え真横をすれ違っても話しかけない

怖くて怖くて話しかけられない

気づいていないフリして凄く気づいている

これは先生に対してだけではなく

過去同級生にも同じことをしてしま

誰かと再会したとき

何と言えばいいのかわからない

声を出す勇気も自信もない私は

ただ目的地のカフェに緊張しながら向かった

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