2016-11-19

素晴らしき夜這い文化

明治期まで日本人の85%を占めていた農民漁民にとって貞操観念なんてなかった。

セックスは単なる娯楽であり子を得るためのものであり、恋愛とはまったく別物であり、妊娠とも切り離されていた。だから男も女も村中のみんなと寝たし、父親が誰かすら誰も気にしなかった。

罪悪感なんてまったくない、西洋概念とは別種のあっけらかんとした奔放な性がつい100年ほど昔まであった。

これは他の娯楽がほとんど存在せず、村の外にも逃げ場がなく、村人は皆信用できる相手だったからこそ成立した文化だが、昔の日本人は性衝動という厄介なものを実にうまくコントロールしていたものだと思う。

もちろん、こうした性文化になった背景には子供が大きな経済的メリットであるという事情があった。子は労働力であり、老後の保障であり資産であった(最悪の場合、売り飛ばせる。間引きも悪いことではなかった)。

現代少子化問題になり子供経済的負担となっているが、これは愛情やら公費負担でどうにかなる問題ではない。これは、子供経済的価値を再発見できるのかという問題である

子供近代西洋が生み出した概念であるが(「子供誕生フィリップアリエス)、このような近代思想限界点差し掛かっている今、西洋とはまったく別種の知と性を生きてきた日本人過去は様々なヒントを与えてくれるように思う。

そんなことを、実家の14代の墓を見ながらつらつら考えたのでした。15代目の俺で末代とするとご先祖様に申し訳ねえなあ。

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