ってやってる奴ほどろくにアニメみてないんだよなあ。
・阿形の自宅
天河一「よっしゃ。風呂でも入ってくっかあ」
高城千鳥 画面奥、テーブルの向こう側にいる。天河の姿に驚いて目を逸らす。
阿形勝平 トレーに載せたコップをテーブルへと運んでくる。
・テーブルを挟んで向かい合う格好の千鳥と勝平。勝平は画面から背を向けているので表情がわからない。
高城千鳥「もう、完全に自分の家になってる」天河の文句を言う千鳥。
阿形勝平「いいよ、千鳥」
高城千鳥「そうやっていっつも流されて!」勝平に抗議するように、両の握りこぶしを少し持ち上げるジェスチャ。
阿形勝平「いや」
・勝平の顔のアップ。いつもの無表情ではなく、やや感情が乗ったような表情で、目線はやや下を向いている。
・カットが変わり別の角度から。背を向けた勝平を右に、勝平を見ている千鳥は左
高城千鳥 勝平の言葉に驚いて目を二、三度瞬かせる。そして克平に柔和な笑顔を向け、
阿形勝平「え? 俺なんか変?」千鳥に向き直る勝平。
・閉じた千鳥の目を中心にアップで映される。ゆっくり目を開く動作に追随するように画面がやや上にずれる。
薄暗い壁の表面に装飾された絆の会の紋章が映される。
・薄暗い部屋。机の上の唯一の明かりを前に、右手に受話器を持って座っている園崎法子の背中が映る。机の上にはダイヤル式の電話、写真立て、花瓶に生けられた黄色い花々が見える。
園崎法子「ええ。ドキュメンタリーの撮影はこれ以上続行不可ですし、映画化の話はこれ以上無かったことにしていただきたいと」
・受話器を持った法子の横顔のアップ。
電話の相手「そう言わずに! 何としてでもあの子には言うことをきかせます!」
園崎法子「では失礼します」 電話の相手にお辞儀をするようにやや頭を下げ受話器を置く。
・薄暗い部屋の引きのカット。天井が高く広い部屋。受話器を置いた音が響く。中央の壁には絆の会の紋章。
・机の上の花瓶のアップ。
・写真立ての裏側を手前に、机の前に座った法子を奥に映したカット。
園崎法子 写真立てに目を向ける。
・法子の背後。こちらを向いた写真立てに向かって少しずつ画面がズームされていく。
・写真のアップ。7人の子どもたちと、3人の大人の姿。楽しそうな表情をしている。唯一、白い髪の少女の表情だけが前髪に隠れて見えない。
絆の会の紋章からは次のシーンに移ってるわけだけど、「素敵になってきた」というセリフを、次のシーンの頭に割り込ませているのは何故なのか。
これだけ色々な演出が差し込まれているのに、単純に「良くなってきている」という意味だけを受け取って批判するのはおかしい。
千鳥が言う「素敵になってきた」勝平。
法子が言った「人の気持ちがそんな簡単に変わりますか?」という言葉。
そして受話器をおいた後に呟いた「人の気持ちは簡単に変わる」の意味。
勝平が法子に向けて放った「俺、のりちゃんを軽蔑しました」という言葉。