2016-05-22

批評家気取りはとりあえずちゃんと見ようぜ

「俺批評できますよ、このアニメまらないですね」

ってやってる奴ほどろくにアニメみてないんだよなあ。

・阿形の自宅

天河一 パンツ一枚で画面を横から斜めに横切る。

天河一「よっしゃ。風呂でも入ってくっかあ」

高城千鳥 画面奥、テーブルの向こう側にいる。天河の姿に驚いて目を逸らす。

阿形勝平 トレーに載せたコップをテーブルへと運んでくる。

  ・テーブルを挟んで向かい合う格好の千鳥と勝平。勝平は画面から背を向けているので表情がわからない。

高城千鳥「もう、完全に自分の家になってる」天河の文句を言う千鳥

阿形勝平「いいよ、千鳥

高城千鳥「そうやっていっつも流されて!」勝平に抗議するように、両の握りこぶしを少し持ち上げるジェスチャ。

阿形勝平「いや」

  ・勝平の顔のアップ。いつもの無表情ではなく、やや感情が乗ったような表情で、目線はやや下を向いている。

阿形勝平「天河くんといると、楽しいから

  ・カットが変わり別の角度から。背を向けた勝平を右に、勝平を見ている千鳥は左

高城千鳥 勝平の言葉に驚いて目を二、三度瞬かせる。そして克平に柔和な笑顔を向け、

高城千鳥「かっちょん、ホント変わってきたね」

阿形勝平「え? 俺なんか変?」千鳥に向き直る勝平。

高城千鳥「ううん」 千鳥、目を閉じ、言葉とともに首を振る。

  ・閉じた千鳥の目を中心にアップで映される。ゆっくり目を開く動作に追随するように画面がやや上にずれる。

 ・高城千鳥が次の言葉を発する一呼吸前

   薄暗い壁の表面に装飾された絆の会の紋章が映される。

高城千鳥「素敵になってきた」

  ・薄暗い部屋。机の上の唯一の明かりを前に、右手に受話器を持って座っている園崎法子の背中が映る。机の上にはダイヤル式の電話写真立て、花瓶に生けられた黄色い花々が見える。

園崎法子「ええ。ドキュメンタリー撮影はこれ以上続行不可ですし、映画化の話はこれ以上無かったことにしていただきたいと」

  ・受話器を持った法子の横顔のアップ。

電話相手「そう言わずに! 何としてでもあの子には言うことをきかせます!」

  ・電話相手言葉に、法子の瞼がやや下に動く。

園崎法子「人の気持ちがそんな簡単に変わりますか?」

電話相手「え?」

園崎法子「では失礼します」 電話相手お辞儀をするようにやや頭を下げ受話器を置く。

電話相手「あっ、ちょ」

  ・薄暗い部屋の引きのカット天井が高く広い部屋。受話器を置いた音が響く。中央の壁には絆の会の紋章

  ・机の上の花瓶のアップ。

園崎法子「人の気持ち簡単に変わる」

――阿形勝平「俺、のりちゃんを軽蔑しました」

  ・写真立ての裏側を手前に、机の前に座った法子を奥に映したカット

   画面左のデスクスタンドライトが法子の無表情な顔を照らす。

園崎法子 写真立てに目を向ける。

  ・法子の背後。こちらを向いた写真立てに向かって少しずつ画面がズームされていく。

  ・写真のアップ。7人の子どもたちと、3人の大人の姿。楽しそうな表情をしている。唯一、白い髪の少女の表情だけが前髪に隠れて見えない。

   写真に法子の(おそらく左手)の影が伸び、ゆっくりと倒されていく写真立て。

絆の会の紋章からは次のシーンに移ってるわけだけど、「素敵になってきた」というセリフを、次のシーンの頭に割り込ませているのは何故なのか。

批評ならこういう部分について言及すべきだと思うんだよ。

これだけ色々な演出差しまれているのに、単純に「良くなってきている」という意味だけを受け取って批判するのはおかしい。

千鳥が言う「素敵になってきた」勝平。

法子が言った「人の気持ちがそんな簡単に変わりますか?」という言葉

そして受話器をおいた後に呟いた「人の気持ち簡単に変わる」の意味

勝平が法子に向けて放った「俺、のりちゃんを軽蔑しました」という言葉

そして、最後写真

これらを関連したものと考えると……さてあなたは何を思うかな?

http://anond.hatelabo.jp/20160522084213

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