キャリアという言葉にずいぶんと苦しめられてきた。調子が良い時に友人と電話などすると大学時代の友人は大手インフラや基幹産業で出世している人がけっこういる。
僕は在学中に患ったパニック障害という病気のおかげでいわゆるキャリア形成という階段からはこぼれおちた人間だ。
おまえは良い企業に就職しそう、出世しそうなどと大学の間は言われてきたがそんなものは完全に嘘だった。僕は障害者だ。学歴なんかクソの役にもたたない。
病気になってなければ就職活動もうまくいってキャリアを築けていただろう。しかしそんな普通の人生は僕にはもう無理だ。現実を見ないのではない。僕は他人から見れば甘えのように見える僕の現実を生きているだけだ
発作が起きれば何も手につかなくなる。電車に乗ることも日常会話も、こうして文章を打つこともままならなくなる。責任を負うには僕の病気は絶望的だ。
キャリア形成という現実からは降りることにした。僕は人の歩かない道を歩みたくはない、けれど歩むしかない。フリーなので収入はそこらのサラリーマンより高い。しかし決定的な劣等感がある。それは社会的活動に従事しているかどうかだ。
もう病気になって何年もたつのでそんなことはなかば諦めているが・・・他人の現実と自分の現実がシンクロしないことがこのうえなくきつい。