4年付き合ってこのままいけば結婚かなー、と考えていた彼氏と別れ、
2、3か月に1回は結婚式に参加して友人の幸せそうな笑顔を見る生活が続き、
こんな風になるとは思わなかったなー、と少し自暴自棄になっていた頃、彼と出会った。
大学の同級生が開いた合コンで女の子の一人がした「好きな食べ物なんですか?」の質問に
「焼肉!あの渋谷の店が絶品でさー、ちょっと高いけどよく行くんだよねー」やら
「子供っぽいけど寿司かな。ミシュランとったあの銀座の名店にこの前某企業の社長と行ったんだけどー」とかいう
男性陣の自分を大きく見せようとする返答ばかりの中、最後に「ポテチかな」と笑顔で言った彼。
「昔から大好きで、新商品が出ると買っちゃうんだ。健康を考えて普段は食べないけど、
月1日でドカ食いデーを設けて食べちゃう」と照れながら答えていた。
「はぁ?ガキかよ笑」と他の男性達にボロ糞言われ、女性陣もトイレの中で「貧乏くせー」とか笑っていた。
でも虚栄を張らず、好きなものを好きと言える彼に、私は正直好印象を抱いた。
1次会がお開きになり、ご機嫌になった他のメンバーはカラオケに行くと言った。
ポテチの彼は「明日仕事が早いんだ。悪いけど帰るね」と駅に向かった。私もあまりノリ気になれず、帰ることにした。
駅に向かって歩いていると、途中彼が信号待ちしていた。電車の方向も途中まで同じだったので、一緒に帰ることにした。
電車内で私がポテチの話を振ると、「やっぱ子供っぽいね。XXってやつは美味しいから食べてみて」と彼は笑った。
(そのポテチ知ってるし。私も大好きなやつだから)と内心思うも、さっきのみんなの反応を思い出すと口に出せなかった。
(でもこれじゃあの人たちと同じで自分を良く見せようとしてるだけだ…)と、自己嫌悪を感じ始めたところで、彼の降りる駅に着いた。
途端、私は何を思ったか、「あの!私もポテチ大好きなんです!今度オススメ教えてください!」と
ドアから出る彼の背中に大きな声で叫んでいた。周りの人に見られ恥ずかしくて死にそうな私に、ホームの彼は笑顔で頷いていた。
増田文学……か? どっちもデブで想像すると滑稽な絵面になるな
ドカ食いは、日付と塩分の問題を考えなきゃいけないんだけど 日付よりも塩分濃度で間違ってる感があり、うーん
実際こんなふうに好きな食べ物の話で虚勢張ったり、逆に馬鹿にしたりするような人っていないだろ。さすがに登場人物が現実離れしていて白ける。
金曜の朝に読んで良かった。 俺も明日ポテチドカ食いしよう。