わたしはアイドルが好きだ。
こんなことを公言するとやれ変態だ、やれ小児性愛者だなどとおぞましいレッテルを貼られ社会から爪弾きにされてしまうのだがちょっとまってほしい。
確かに少女たちのいやらしい姿を想像してしまうことをわたしは否定しない。
しかし、わたしが自身を投影しているのは少女たちの相手側でなく、少女自身に対してなのだ。
女性諸君は当たり前にアイドルやプリンセスに成りたいと夢に抱くではないか。
それならば男子だって同じような願望を持ったとしてもなんらおかしくもないはずだ。
つまりアイドルを応援している瞬間とは、アイドル自身に自己を投影することで己の醜い容姿から開放され、胸のトキメキが高なっていくことを楽しむ瞬間でもあるのだ。
アイドルを好む男性全員がそうであるとは言い切れないが、同じ考えを持つ人間は多いはずだ。
だからこそアイドルの相手が男性であることには違和感があるのだ。自身が男性であるが上に、特定の男性に対して恋愛感情を抱くことには当然抵抗感があるのだ。
それ故に百合が好まれるし、薄い本でアイドルによるAV女優化や風俗嬢化が受け入れられるのは恋愛感情のない単なる快楽の追求という点があるからではないだろうか。
話が戻るが、そこで浮かんできたのが、女性諸君がBLに登場するキャラクターいずれかに自己を投影しているのではないかという疑問だ。
当然男女の恋愛ストーリーでヒロイン側に自らを置き換えることもあるだろう。しかし、ヒロインが男子を弱らせるにはどうしても限界がある。
そこで、男性として自分の好みの男子を襲いたいという願望が具現化されたものがBLなのではないだろうか。
当然男性として自分好みの男子から襲われたいという願望もあるはずだ。
もしこれが大いに矛盾しない理屈といえるのであれば、どうかおっさんのアイドル好きを許してやってほしい。
彼らはあんな容姿の上にさらにあんな姿に着飾って一心不乱に踊り狂ってはいるが、その心は一人の夢見る少女に過ぎないのだから。