妻は、取引先の会社で働いていた。
「うちの会社の従業員は、みんな低学歴で馬鹿ばかりなんですよ」
何を言ってんだこの人は。謙遜にしては度が過ぎるぞ。
後から知ったことだが、彼女はその会社では有名人で、ことあるごとに学歴の話をするため、同僚からは煙たがられていたらしい。
彼女の言葉に興味を引かれてしまった俺は、彼女と初対面にもかかわらず、学歴の話を続けた。
しかし、偏見にまみれた低俗な話ばかりで、これっぽっちも楽しくなかった。
他方、彼女は自分の話を聞いてもらって嬉しかったのか、学歴の話以外にも色々な話をしてくれた。
その後も、取引先に行くたびに、彼女は俺のところにやってきて色々な話をしてくれた。
「○○さん!久しぶりです。やっぱり△△大学出身の方は仕事も早いんですね」
みたいな。今振り返ると、話のきっかけに学歴の話をしていただけなんだろうと思う。
なぜに学歴の話で俺と仲良くなれると思ったのか。
当時の俺は、面倒くさい人に気に入られてしまったと思っていた。
しかし、俺の会社と妻の会社とで少し規模の大きな飲み会があった時のこと。
なんというか、妻の会社の人からも、厄介な人の面倒を見てくれる人という感じで見られるようになっていたのである。
そんな状況に少しイライラしていた俺は、彼女を学歴ネタで煽ってしまった。
開いた口が塞がらなかった。
彼女は、面倒くさい人から実は良い奴にジョブチェンジしていた。
でだ、これは友人からも突っ込まれるんだが、俺はそこで彼女を好きになってしまった。
あまりに不器用で、拗れていて、勘違いされやすい人であるが、愛するものに対して真摯な彼女を愛おしいと思ってしまった。
妻は、生まれてくる子どもを愛してくれるだろう。
会社の同僚に、「奥さん、お受験とかうるさそうだね」と言われた。
俺は笑う。
増田文学にしてはちょっとあっさりしすぎな気も。 もっと「リアルに学歴の高い敵キャラ的設定」の人間を入れたほうがよかった。主人公がそれやっちゃダメだろ。
最終的には、彼女の会社の人も泣き出す始末。 がいくら何でもリアリティ無さ過ぎ。 彼女一人だけなら変人で済んでも、会社の人全員が変人は有り得ない。 単に空気に飲まれただけ...