それは残業代をなくすかわりに過労死した労働者を靖国神社に奉納するのである。
手順はこうだ。
はじめに過労死は名誉なこと、と国が認定する。憲法に付け加えられたらなお良い。
「労働に身を捧げて死ぬとはなんと立派なことか」「滅私奉公は美徳」「日本人のあるべき姿」
次にこういった言説を国民に徹底的に植え付ける。
靖国神社に新たな拝殿(あるいは靖国神社的なもの)でも作ってそこへ奉納するのがいいだろう。
もちろん死者は英霊として扱われる。
ただしそれには条件がある。
公務員も会社員も派遣社員も契約社員もフリーターもパートも関係なく死んだら奉納する。
ただ過労死や業務中に事故や事件に巻き込まれたあるいは発作が出て死んだ場合などに限られる。自殺や休業中に死亡した場合は含まれない。
仕事が辛くてうつ病になっても休職も退職もせず、踏ん張って働いて最後は過労死して英霊になる。
例え死んだとしても魂を靖国に奉納できるのならこんなに幸せなことはない。
きっと残された遺族も死者を誇りに思うだろう。
残業代を用意できないのならせめて死に場所くらいは国に用意してもらいたい。
そう願いながらこの文章を書いた。
釣りかどうかわからんが釣りのつもりじゃないなら病院行って来い