任天堂は前世代機においてHDグラフィックに参入せず、2012年になってPS3に毛が生えた程度の性能のWiiUをもって
初めてHDグラフィックに参入したため海外や国内の一流メーカーに比べて技術面で後れを取ったと見られている。
今年のE3を見れば分かる通り圧倒的な物量でリアルな方向に突き進む海外メーカーに比肩しうる国内メーカーは
コナミ(メタルギア)とカプコン(ディープダウンetc)程度であり、スクエニ、セガ、フロムソフトウェア等は
一定の制限の中で方向性を絞ってギリギリ勝負しているように見える。
一方任天堂は最初から明快に方向性が違う。細かな汚れ、質感、光の反射の細かな違い、世界の物理現象の再現から写実的なリアル感を目指している
海外勢に対して任天堂は完全にクリーンな汚れ一つ無いポップな世界を描こうとしている。
リアルな世界を描こうとしたピクミン3は成功したとは言い難い。マリオ3Dワールドを踏み台としてマリオカート8で
ポップでクリーンなHDグラフィックのひとつのモデルケースを示し、今回のE3でみせたSplatoonをはじめとする一連の統一されたクリーンなグラフィックは
ライバル機の圧倒的なリアル表現に対して明らかに存在感を放っていた。
性能の劣るWiiUでリアル志向の真っ向勝負をしようとしているベヨネッタ2、ゼノブレイドクロス、デビルズサードは見るも無残な出来であった。
このクリーンなHDグラフィックはリアル再現方向と比べれば技術的に難しくないし、コストもかからない。
なのになぜこれまで主流とならなかったのか。※
海外の連中には、この手のポップなデザインセンスが欠如しているのである。
リトルビッグプラネットのように、ポップなデザインの中にもリアルな質感や汚れを入れなければ気がすまない。
リアルすぎず、スタイリッシュすぎず、大衆ウケするポップなデザインが奴らは苦手なのだ。
それを得意とするのが日本人、そして任天堂が最も得意とする分野なのである。
相手の得意分野で戦うより、相手が苦手で自分たちが得意な分野で戦ったほうが有利になるに決まっている。
周回遅れでHDグラフィックに参入してきた任天堂が、これからの日本メーカーの手本とするべきHDグラフィックの方向性を示してくれると信じている。
※)こういうグラフィックは前世代機にもあった。セガのモンキーボールやソニックシリーズなどである。
安い釣りはゲハでやんな。しっしっ。