騙されたと思って、一回、仕事の手順を全て(全て! ここが大事)ノートに書いてみて下さい。業務の手順を、出社前の準備、出社、始業前準備、業務中の各フェイズに区分して。プログラムの構文のように条件分けしてまとめます。わからない所があったら、必ず同僚が上司に尋ねましょう。おそらくボロボロ出てきます。教えて貰えないときは、仕方ないので(クソが、と思いながら)条件を絞って同僚の動きを観察するなり、マニュアルを探すなりして情報を得た上で、兎に角、一度、視覚化しましょう。
「カクテルパーティ効果」というのがあって、自閉症の人は、これが苦手です。無数の聴覚情報から、コミュニケーションや社会参加に必要な情報『だけを』抜き取って取得する、というのができないのです。しかし、視覚情報が選択性が高いため、この情報の刈り込みの不良の影響を受けません。「何度言われても聞かない」のは、そもそも相手の言葉を「聞けていない」のです。情報の視覚化に加えて、マニュアルなどがあるなら、勤務何年目だから、もう慣れているから、などとアグラを書かずに、見せてもらってきっちり読みましょう。経験上、ADHD優勢の人でも、これでかなりミスが減ります。ファジーな判断を求められて困る場合も、データを積めば必ず対応できます(まあ、上司や同僚の気分、というのもありますが、『こんな状況ではマニュアル通りに、ここは手を抜いて大丈夫』というのも、ある程度視覚化して条件分けすると、びっくりするほど理解しやすくなったりします) 覚えきれないことは、ポストイットに書くなり、手帳を持ち歩くなりしてすぐ目で見て確認できるように。情報を、「自分に取得可能な形で」外部化するのです。
当事者だったり、あるいは当事者が職場にいる知人からときどき相談を受けます。で、同じようにアドバイスするんだけど、自分が相談を受けた3件はこれで3件とも改善した(「ほんとだ聞こえてなかった!」)との報を貰いました。単純だからみんな案外やらないんだよね。耳は悪くないのに『聞こえて(認識できて)いない』、というそれだけの状況なのに、想像するのはとても難しいです(本人すら! 経験者は語る)。お世話になった擁護の先生が言ってたけど、これ、耳が聞こえない人と変わらないからね。
・追記:「アスペルガーっぽい同僚」にイライラしてる人も、「あ、こいつ聞こえてないんだ」というのを念頭に置くとちょっと心安らかになるかもしれません。
教育を任されているなら、情報を視覚化するとスムーズです。
・追記2:全ての職場でマニュアルが作られればいいのに(含接客業)
・追記3:当事者から、「耳が悪いので」と最初に伝えるのも、わりとアリだと思います。
発達障害がどうこうと説明しても、多くの人は理解できません。このほうが先入観を持たれにくいし、情報の外部化もラクになります。
せんせーマニュアル作っても過緊張過集中で死ぬパターンはどうしましょー