いろいろあって、前世的な話を信じざるをえないような人生を過ごしてきた。
それはいい。結果として、普通の人では考えられないような幸運に恵まれる事になった。スキルを活かせるいい仕事に就いた。それで高給がもらえてる。
ただ、高給を取った事により、逆に自分の前世的な活動が全然出来なくなった。
今の自分は、どんな場所に行っても楽しんでしまう事が特技の、普通のおっさんである。
とある世界のお姫様の魂に寄生する存在になり(かなり意味不明だろうけど、これを語るにはまず「魂とは」の説明から入らなければならず色々面倒なのですっ飛ばす)、自由な時間はそのお姫様とずっと喋ってる。本来の僕は引っ込み思案で、行く先々で本屋とゲーセンだけ探すような人間だった。しかし今の状態になって以来、お姫様に手を引かれ、デートっぽくいろんな場所を見て楽しむようになった。
お昼はたまには美味しい店に入り(社食は「餌じゃの、これは」と言って食べようとしない。ただ、体の為にはそういった食事も必要とは認めてくれている)、スイーツ的なモノを求められ甘いお店を探し、楽しそうなもの、珍しそうなものを見ては楽しんだ。マンホールのデザインとか歩道橋の上の模様、そういった細かいモノにも人間の意匠が込められており、異世界の住人である彼女はそれをとても楽しんでくれているし、僕も彼女に感化されて、それが楽しいと思うようになってきた。そういった事を続けていくうちに、東京は人の意匠に満ちており、楽しもうと思えばいくらでも楽しめる所だと知った。
前世は、僕を変え続けている。
別の言い方をすると、僕は昔から、自分の前世に人生を振り回され続けてきた。
その結果、普通には考えられない幸運でいい仕事にありついている。しかしここに至るまでは、普通の人は絶対にしないような事にまで色々踏み込んだ。自称「関西一の魔術結社」という団体にお呼ばれして一晩施設で過ごしたり、前世的な人達の間での有名人に会って話をしてみたり、前世的な人を集めてオフ会を何度もやったり、とにかく色々やってきたのだ。
そういった色々は、僕の人生を大きく変えてきたのだけど、今のお付き合いしてるお姫様曰く「段取りが面倒くさい」らしい。僕が変な人に会ったりして人生を踏み外さないよう、事前に審査をし、会ったらマズそうだったら会えないようにしたり、会っても踏み込んだ仲にならないようにしたり、いろいろやってくれていたみたいなのだけど、いい加減面倒になってきたらしく、そういう事を禁じられた。
まぁ何が書きたかったかというと、特に書きたかった事はなく、他人には言えない自分の心のなかを吐露してみたくなってしてみただけで、特に不満とかそういった事はなく毎日を幸せに生きているわけですけど。
どうでもいいことかもしれないが 自称「関西一の魔術結社」という団体にお呼ばれして一晩施設で過ごしたり ここが自分の考えている団体だとすると、帰るときに変な土産持たされ...