2013-11-19

http://anond.hatelabo.jp/20131119150928

このかけ算の順序問題を論じる場合に多くの人が見落としている重要な点は、これが小学校2年生の授業であるということだ。小学校2年生の算数では足し算の拡張としてかけ算が導入される。この時点ではかけ算は足し算と切っても切り離せない関係にある。

どういうことかというと、

□+□+□+□+…+□

のような同じ足し算を☆回くりかえした計算を「□×☆」と表記する、と習うのだ。つまり、この時期においては「3×5」は「3+3+3+3+3」の省略形であり「5×3」は「5+5+5」の省略形でしかない。

こう考えると、「一個10円のリンゴを3個買いました」の式が「3×10」ではいけない理由がよく分かる。この問題に対する式は「10+10+10」でなければならず、「3+3+3+3+3+3+3+3+3+3」では間違いなのだ

このような、足し算と任意に書き換えが可能である限定された演算であるかけ算と、小学校3年生以上で習う一般化された抽象的なかけ算を混同してはいけない。後者のかけ算では、かけ算の定義域は0や小数分数にひろがっていて足し算との関連は失われている。さら抽象化された中学以降の数学では、定義域は負の数、未知数、数式、複素数、環と拡大の一途をたどる。この時点でかけ算の順序を問うことには意味は無い。しか定義域が自然数に限定され、足し算との相互変換が可能な2年生のかけ算では、可換則は自明ではなく順序が本質的意味をたもっているのだ。

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