学祭でうちの大学にゲストで来ていた某バンドのメンバーだった。
ビックバンドの演奏を聴くのは初めてで、わーっとなりながら私は夢中で演奏を聴いていた。
その中で、ピアノを弾いていたその人が気になった。
俗にいうイケメンではないけれど、ピアノを一生懸命弾く姿がとても印象に残った。
帰宅して調べてみるとそのゲストバンドは学生団体の中では割合有名なバンドだった。
HPには各パートとメンバーの氏名が掲載されていたので、楽器からその人の名前はすぐにわかった。
ちょっと変わった名字のその人の名前をググると、個人で運営しているHPがすぐ見つかった。
その人は日々の生活のあれこれを日記に綴り、mixiのアカウントもそこで公開していた。
全く面識がないので、友達申請はできない。
だけど、ふと思い出した時にその人のアカウントをのぞきに行ったりしていた。
なぜなら日記が全体公開の設定になっていたからだ。文章に味があるのでちょっとした日記もとても面白い。
mixiが下火になるとその人は日々のつぶやきを、twitterに投稿するようになった。
mixiとtwitterでその人がいつの間にか結婚し、そして子供が産まれたのを知った。
元々恋愛感情がある人ではないので、その出来事はちょっと遠い場所での出来事だ。
その感情は誰々さんの子供が結婚したんだって、子供ももう産まれるんだってという話を人伝いに聞いた時に感じるものと似ている。
特にその人に会いたいと強くアクションしたわけではない。ただ、ネット上の投稿を眺めているだけ。
でもその期間がちょっと異常だと思う。もうその眺めている期間が10年近くになるからだ。
なんでそんなにその人の事をネット上で追いかけているのか、もはやもうよくわからない。
こういうのって相手にとってはすごく気持ち悪いよなー、と思う。
このちょっとした生活の覗き見は相手が不快感を感じたら止める。
だけど、今のこのただ眺めているだけの状況で、相手がそれを察知する事はあり得るのだろうか。