http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20130507
共感できる部分もあるのですが、事実誤認が多いので補足します。
マンションの地震保険って、管理組合で入る共用部分向けの地震保険と、個別の家庭が入る占有部分のための保険があるんですが、どっちにしろ個人的には、「なんでそんなもんに入ってんの?」って感じです。
区分所有住宅には、「上塗り基準」と「壁心基準」というものがあります。それを区別せずに一括りにするのは乱暴すぎます。
火事で自分の部屋が丸焼けになっても、修理すればまた住むことができます。修理も、業者に依頼すればすぐに始まります。
ですが、地震で鉄筋コンクリ建てのマンションが半壊や全壊になる時は、地域全体が甚大な被害を受けてるはず。平時のように、建設業者に電話したらすぐに見積もりに来て、来月から工事が始められる、なんてことにはなりません。
建物を再建しなければ、保険金が支払われないと勘違いしているようです。確かに、火災保険に新価特約を付帯した場合などは建物を再建しないと保険金は支払われません。しかし、地震保険は可能な限り素早く支払われます。被害地域を空撮して被害があった住所を特定したり、全国の損害保険会社から職員を動員して被害があった建物の調査を行ない、保険金を迅速に支払うようにしています。もちろん建物を再建しなくても保険金は支払われました。
それに鉄筋コンクリマンションが全壊・半壊になったら、たとえ地震保険に入っていても、保険金だけで修繕や立て直しが全額カバーできるとは思えません。
そりゃそうですよ。地震保険金額は火災保険金額の30%~50%です。また、地震保険金額の支払いの総額は6兆2000億円です。その金額を超えると按分されることになります。契約書に比較的大きな字で書いてあります。
もちろん個人に関しても、そんな面倒な保険に入る必要は全然ないです。大災害に遭うと、住む場所を探すところから始め、日々の生活がぐちゃぐちゃになります。ましてや家族の誰かが被害に遭ったりしたら、それどころではありません。
保険料の支払い方法を口振にしておいてください。被災者になったら自動的に支払われますので契約者は何もする必要はありません。
たしかに充分な貯蓄があるひとは保険に入る必要はありません。しかし、はてなのブログを読むような財産が少ないカテゴリーのひとに地震保険に入らないことを薦めるのは無責任ですよ。
たしかに、地震保険料は高いです。金融商品としての魅力が低いと考えるのは間違ってはいないと思います。しかし、それが全てのひとに当てはまるかというとそれは違います。例えば、35年ローンでマンションを買ってしまった若い人は地震保険に入っておいたほうが良いでしょう。(そんな無謀なローンを組むのがよいかどうかはさておき)
もともと金融業界にいたはずの人なのに、地震保険金がすぐに支払われないと思い込んだのはなぜなんでしょうね?生命保険などと混同しているのかもしれませんね。損保は生保と違いますよ。