今日祖母が死んだ。
風呂場の中で倒れてた。
祖父が最初に気づいた。
様子を見に行ったら風呂桶の中で突っ伏してたとのこと。
引き上げようにもどうにもならなかったので、
急いで行って祖父母の家に着き、風呂場を見たら、
祖母の身体は浴槽に下半身を浸けたままで、上半身は浴槽の外側へ倒れていた。
呼びかけても肩をたたいても全く反応はない。
介護のコツのような、他人を持ち上げる知識もなかったので
電話をかけて住所と簡単な状況を伝える。
息はあるか確認された。
慌てて確認したが、息はしていないように感じた。
電話口に伝えると、仰向けにして気道を確保するよう指示される。
その時点でお湯はだいぶ減っていたので、
いちおう浴槽の中で仰向けにしてみる。
その時見えた足の裏が、ひどく紫色になっていたのが印象的だった。
正直まったくもって自信がない。自分は脈を測るのも出来ないのだ。
やらなきゃいけないのか?と逡巡するかしないかというところで、
救急車が近づいてくる音が聞こえてきた。
早い。ウチなのか?ウチで止まってくれ。止まった。
心臓マッサージ役はやらないで済んだ。
ちょっとだけホッとしたのと、救急隊員にいろいろ確認されたので
そのあとのしばらくは、よく覚えていない。
そこそこの近所に住んでいる父と母に連絡を取り、
急いで向かってもらったが、
救急車の出発には間に合わなかったので、
病院に着き、祖母は奥へ運ばれていった。
自分は待合室で待機。両親もすぐにやって来た。
数十分待った。
心臓も呼吸も病院に入って来た時点から反応がないと告げられた。
これ以上の対応は身体を傷つけるだけになるだろうと言う。
父は蘇生をやめることに承諾した。
そこからしばらくして、死亡確認に呼ばれた。
医師の宣告によって、祖母の死亡が確認された。
日付が変わる、20分ほど前のことだった。
そして祖母は霊安室へと運ばれた。
今回、病院では死因の特定が出来なかった。
解剖までされるかは分からないが、監察医が検案せねばならない。
しばらくして警察官が数人やってきた。
うちの父は(祖母本人もだが)葬儀の具体的な相談はしていなかったようだ。
どの葬儀屋に頼むのか決まっていなかったので、
とりあえず市内でそこそこ大きそうなところへ電話して、
病院まで来てもらうことになった。
その後遺体を葬儀屋に預け、祖父母宅へ移動し、そこでも検分する。
祖父は病院へは来ていなかったので、そこで改めて事情を聞かれた。
もちろん祖母が亡くなったことは事前に電話で伝えてある。
合間合間に待つ時間は長く感じたが、
振り返ってみるとあっという間のような気もする。
今回亡くなったのは父方の祖母だが、
以前母方の祖母が亡くなった時に比べ、
何の準備も出来ていないことを歯がゆく感じた。
子どもの頃、父と母は一枚岩だと感じていた。
大きくなって、父と母は別個の一個人なんだと理解した。
そして冠婚葬祭に立ち会うと、
父方の家の考え方と母方の家の考え方が
大きく違うことをまざまざと見せつけられる。
自分は今、たぶん父親に似ている。
先のことはあまり考えない。
「なるようになるさ」と流れに身を任せている。
この先自分はどうなっていくのだろうか。
そうなるのを避けるため、先のことは考えにくい。