2012-05-02

悲しいけれどこれが現実なのよね

休日祝日わず仕事をしなければ終わらないような状況だというのに、進捗状況が芳しくないことをお客に説明してくれと言われた。なぜ自分なのかと言えば、女の子が喋れば矛先が丸くなるからだという。またこれだ。何度目だぜ。

そもそもスケジュールの遅れは仕様の確定が遅れたからだが、その仕様ほとんどは当時のスケジュールに合わせて私が一人でせこせこと詰めたのだった。あの頃はみんな余裕があって、気づいたらタバコ吸いにいってたりとかしてる中で、デザイナーでもないのにデザインをして、新製品の評価と並行しながら基礎となる仕様固めをしたのが誰かはみんな知っている。その後案の定増える要件と決まらない仕様対応しつつ並行して設計を進めて、開発環境を整えて、細かな仕様にはあまり関係ないフレームワークを作ってドキュメントを書いて、合間を見ながら新人の面倒を見て、スケジュールが変更にならないまま遅れに遅れて実装期間に突入してからは、それこそメールを見る暇もなくひたすらキーボードを叩いていて、どうにか二週間の遅れをたった二人で取り戻したというのに、少し時間に余裕ができただろうから言い訳をしてこいという。女の子から女の子にはみんな厳しいことを言わないから、と。そう言うのだ。

誰のせいでそうなったかといえば、仕様変更を突っぱねない君たちのせいだろう。特に進展もない長い会議をしている君たちのリソースが使えればもう少し楽だったんじゃないのか。進捗管理をめんどくさいといってちゃんと管理しないから、全体的な仕事の量が見えていないんだと何度も口を酸っぱくして言ったじゃないか。かなり早い段階からこれはかなり厳しいから、リソースを追加してくれといっていたけど、それを信じてくれたのはありがたかったよ。でも新人が来たってこの状況じゃ申し訳ないだけなんだよ。ほんとめんどうみれなくてすまないといつも思ってるよ。テストを書かない人がいるせいで結合するたびにボロがでて、これがまた手戻りになる。テストをかけとあれだけ言ったよね、CIツールの環境も整えてコードの変更が加われば自動的に走るようになってるよね、これ以上なにがめんどくさいんだ。どうしてこれ以上遅らせる原因を作りたがるんだ。

でも、そういうひとつひとつの文句を言ったところでなにも変わりはしないのだとわかっている。笑顔で分かりましたといえばこの場は丸く収まることがわかっている。その言い訳のためにもろもろ一時間くらいのロスがあっても、そのぶんは家に持ち帰れば十分吸収できる。たしかにそのとおりだ。でも問題は時間を取られることじゃない。ロスができることじゃない。

主力に倒れられたら困るからとご飯をおごってもらえるのはありがたい。お菓子差し入れてくれるのも嬉しい。でも、それよりももっと女の子だというのはやめて欲しい。女の子がいれば場が丸く収まると思うのはやめて欲しい。どんなに頑張ったところで、最後はそれなのだ。そうやって彼らと私の間には線が引かれているのだった。見えない線が一本引かれていて、飛び越えることができないのだった。彼我の違いはそれほどない――卑屈に言えばそれほどないといえる――のに、それでも私は女の子なのだった。そう思い知らされるたびに、しばらく胃がしくしくと痛む。

それでも、この場所はまだ少しはましなのだと思っている。彼らは私のことを中身は男だというし、服や髪型が変わった時にそれを口に出さないで欲しいと頼めばきちんとそれを守ってくれる。どんなにこつこつ物事を進めていっても、誰かにやってもらったんだろう、媚を売って評価を甘くしてもらったんだろうという人々がいる場所とは雲泥の差で、ここは居心地が良い。でも、だから余計に、思い知らされるたびに深く傷ついてしまうのだろう。ここもまだ、境界線は濃く引かれているのだと思いだしてしまうから

なんだか胃が痛かったか今日は日付が変わる前に帰ってきた。甘いものを食べてお風呂に入って、今日のことなんて全部忘れちゃうんだ。

  • まるで男と同じように扱って貰えることもまた、女の子だからしてもらえる優しい特別扱いなのだよ。

  • ご本人が不満なのはわかるけど すさまじくめぐまれたすさまじく羨ましい環境なぁ以外の感想が出てこない はぁ…

    • いやーほんと昨日はかっとなって書いたけども恵まれてますよ。給料もちゃんと出るし。ていうか言うほど大したことやってなかったわw疲れると被害妄想が激しくなるから寝ないとい...

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