http://www.jacd.jp/news/column/100513_post-49.html
もう一つは働く女性の増加である。日本的雇用慣行の隠れた前提は、夫が働いて妻が家事子育てをするという家庭内の極端な役割分担である。企業は夫だけでなく妻もまとめて雇っているわけである。家族ぐるみの雇用という考え方で、それが年功賃金、二人分の賃金を出してその代わり夫を徹底的にこき使い、長時間労働は当たり前、企業の命令辞令一本で日本の端からアジアの端まで飛ばされても文句を言わないという包括的な契約になっている。このような頻繁な転勤が成り立つのは、奥さんが必ず付いて行くという前提で行われている。しかしここで女性が正社員として結婚した後もずっと働き続けると、こういうモデルが破綻する。官庁のキャリア同士で結婚すると、どちらかが常に転勤しているのでほとんど一緒に住めないという悲惨な状況もあるが、このように夫も妻も正社員として働いた場合、誰が子供を育てるのかという問題になり、それが実は少子化に結びついている。少子化が大きな問題だとは皆認識しているが、依然出生率の低下が止まらない。その理由は、日本的雇用慣行の中で女性の働く人が増えているという組み合わせである。北欧諸国は日本より高い出生率の下で、日本より高い女性の就業率を実現しているため、女性が働いているから必ずしも出生率が落ちるのではない。日本的雇用慣行が基本的に女性が働かないことを前提としているのに、女性が働き出したから矛盾が起きているのである。少子化問題を考えるためにも、やはり働き方の改革は避けて通れないが、政府の審議会等でもこの問題は避けて通るのである。男女共同参画会議でも、この日本的雇用慣行は一つのタブーとして全然触れない。日本的雇用慣行を維持したままでできる範囲で、男女の平等や少子化対策を行おうとしているので、効果がないのは当たり前なのである。
そこだけ抜き出すと「じゃあ日本的雇用慣行を守って女を働かせないようにすれば少子化解決じゃん!」 とか言い出す奴が出てくるぞ。 そういう奴は「夫だけではなく妻もまとめて雇え...