私の父は、妻を専業主婦にして一馬力で中流家庭を維持できるほどには稼ぐし、
倹約家で、唯一の趣味はヤフオクでの小遣い稼ぎという地味で真面目な人間である。
父は高圧的でモラハラ思考で、うつ病の母を毎日「養ってやってるのに毎日寝ている」と責める。
別に母は毎日寝てるわけではなくて家事もしているが、汚れている所、家事の至らない所をわざわざ見付け出して責める。
またニュースで報道される事件について、たとえ女性が殺害等の被害者であっても、いかなるケースでも「女が悪い」といったコメントをせずにおれない。
女性側に少しの非もありようがない通り魔事件等だと、苦し紛れに「女が生意気に外なんか出歩くからだ」と言い捨てる。
車を運転すれば、すれ違う車の女性ドライバーに対して「チッ!女か」「女は車を運転するな!」と怒鳴る。
「女は事故でも起こして思い知ればいい」と言って、威圧的に幅寄せや追い上げをしようとする。
それを私たちはなだめて止めさせる。しかし、父一人で運転している時はそのような乱暴行為をはたらいているに違いない。
娘である私も免許を持って運転しているのだが、娘も同じ女であるという考えには至らないらしく、私は攻撃されない。
職場には総合職の女性同僚がいるそうだが、彼女について「女が男と一緒に働くなんて。あんなもん早く辞めればいいのに」とぼやく。
娘である私も、父とは別の企業で総合職として働いているのだが、娘も同じ女であるという考えには至らない。
自分が成人して父以外の男性と触れ合う機会を得て、普通の男性は女性に対して理不尽な嫌悪をぶつけたりしないということを知ってからというもの
父がいかに恋人あるいは夫として不適な人物であったかを初めて認識して、ぞっとする。
母がなぜ父と離婚せずに夫婦が続いているのかといえば、ずばり父の経済力のためである。これしか父の長所はない。この家に愛はない。
母のような女が、夫をATM扱いしている、と非難されることもあるだろうが
父のような男が、妻どころか女一般をストレス発散のサンドバッグ扱いしている以上は、似合いの夫婦である。
父よ、長生きしてください。
定年まで。
言葉によって自分の意志を伝える事が出来ず、ただ憎悪を肥大させる事にしか能の無い人間の末路。