2023-08-02

学習指導要領における中学英語のヤバさ

予想された全国学テ「英語」の成績下落https://gibsonerich.hatenablog.com/entry/2023/08/01/150907

↑がホッテントリに上がっていたので少し書いてみる。

例えばこち

https://www.kairyudo.co.jp/contents/02_chu/eigo/h28/h28_eigo_shidoyoryo_taisho.pdf

学習指導要領上だいぶ小学校へ移動している。

といっても小学校ではほぼ文法指導はなく、二言三言会話して歌を歌う位のものだ。

何より良くないのがテストがない、というか教師側の能力不足、時間不足でできないので、生徒に学習、復習のインセンティブがない。

結果、何も残らないか一般動詞とbe動詞区別もつかないような中途半端知識が残るのみとなる。

そして上の記事でも指摘された通り、中学英語は旧学習指導要領より履修項目、単語が増え、教科書本文も長くなった。

特に負荷が高いのが中1で、例えば今まで中1夏休みまでの間に履修していたbe動詞一般動詞助動詞辺りまでを4月の間(実質2週間位)で駆け抜けなければならない。

更に話す、発表する等もやって行く必要があり、単元あたりの文法指導にかけられる時間が実質大幅に減っている。

かに中学でも小学校に回された単元をおさらいすることになっているが、実質そんな時間わずかなものだ。

英語場合スタートでつまづいた子が後から挽回するのはとても大変で、中2に上がる頃には結構賢い子でもお手上げ状態となる。

また定期テスト最近教科書本文から長文問題を出さず、別の文章を引いてきたり文法事項だけ出題するパターンが増えている。

これは教科書単語が難しいため本文から出すと問題が難しくなりすぎるからとか、教科書本文をまともに授業で扱う時間がないからなどと言われている。

テスト教科書本文が出ない単元の単語は覚えるインセンティブが下がるが、入試で出ても文句は言えないので、自主的に覚えるか塾でやるか諦めることとなる。

学習指導要領コミュニケーションから英語習得を目指しており理念は素晴らしいけれど、学校外でも膨大なトライアンドエラーを積み重ねられるような、英語を浴び続ける環境必要だ。

それは1対多数の公教育現場での実現は困難だし、高校入試スピーキングテストも宙に浮いた状態となっている。そもそも学校でまともに教えていないことを入試で問うのがおかしい。

更に先述の通り学ぶ量もスピードも増えていて、独学で追いつくのは大変であり、小学校の段階から塾に通える子が有利になっている。

となると英語ますます親の経済力意識の高さに左右されるから教育格差が広がる一方だ。

YouTube等で無料でやれるといっても、それはその気になれる意識の高い(収入比較的高い方の)家庭の子からだ。

また英語でのコミュニケーションに長けた帰国子女文法全然できないのはあるあるだが、時間的制約の中で文法理解の精度を下げるのをどこまで許容しながら出力を増やすかという問題もある。

かなりヤバめの状況だが、すぐできることとしては、中1の進度を少し緩やかにするか、せめて小6の3学期だけでも一般動詞とBe動詞文法指導小学校でやるようになればだいぶその後の勉強がやり易いと思うのだがどうだろうか。

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