2023-02-24

少子化対策指標としてのジェンダーギャップランキングの卓越について(2)

anond:20230224010244の続き。

計算

ジェンダーギャップランキングの数値の中でも、GGIスコアジェンダー指数)は、0.001刻みで比べると、

お互いにほとんど同じ値をとる国が多い。ほんの小さな差では、扱いにくい面がある。

そこで、スコアのかわりに、ランキング順位使用する。

153か国での相関係数

まず、153か国で、単純に順位出生率相関係数計算すると、0.43になった。

単純に見ると、これは、順位が下がった国ほど、出生率が上がっていると読める。

しかし、これは単純に比較できない、社会進出をチェックする以前に、女性基本的権利生命が脅かされたり、

工業化が進んでいないといった、発展途上国も多く含まれている。

そのような国では、過去時代から改善されなかったまま、子沢山の社会が続いていることも多い。

明らかに、同じ基準比較できないもの比較するのは不適切であるので、

次に、出生率が0.2未満の国を残して計算する。

出生率が0.2未満の国だけでの相関係数

これを計算すると、相関係数0.06になった。

これでも、まだ日本と単純に比較するには難しい、様々な文化の違いなどを考慮する必要があるので、

比較する国を見直しOECD諸国限定する。

OECD諸国での相関係数

OECD諸国とは、次の国々である

OECD経済協力開発機構

https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/oecd/index.html

2. OECD加盟国

現在OECD加盟国は以下の38か国となっています

EU加盟国(22か国)

ドイツフランスイタリアオランダベルギールクセンブルクフィンランドスウェーデンオーストリアデンマークスペインポルトガルギリシャアイルランドチェコハンガリーポーランドスロヴァキアエストニアスロベニアラトビアリトアニア

その他(16か国)

日本イギリスアメリカ合衆国カナダメキシコオーストラリアニュージーランドスイスノルウェーアイスランドトルコ韓国チリイスラエルコロンビアコスタリカ



この中で、出生率が2.9のイスラエルも、再び入れて計算した。

相関係数-0.06になった。

かろうじて、順位出生率関係が負という結果が出たが、やはりOECD諸国の中でも、明らかに比較の難しい、

遠い文化圏の国を同時に比較している、無理な計算があることは否定できない。

OECD諸国のうち、日本文化的に近い国での相関係数

そこで、日本と、現在日本文化的に近い韓国北米ヨーロッパオセアニアの国々だけを残して、

計算する。OECD諸国のうち、コスタリカコロンビアチリイスラエルトルコを除いた。

計算すると、相関係数は、-0.43になった。

良好な結果ではあるが、やはり、比較の難しい国を含めている可能性がある。

経済的な規模も、少子化問題対策の参考にするために、揃えて考える。

残った国の中から、更に、G20にも含まれている国だけを残して計算する。

OECD諸国のうち、日本文化的に近く、経済的規模も近い国での相関係数

OECD諸国とは、次の国々である

G20に関する基礎的なQ&A

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page25_001040.html

問.G20とは何ですか?

 G20とは、G7フランス米国英国ドイツ日本イタリアカナダ欧州連合EU)(G7議長国順))に加え、アルゼンチン豪州ブラジル中国インドインドネシア、メキシコ韓国ロシアサウジアラビア南アフリカトルコアルファベット順)の首脳が参加する枠組です。G20会議には、G20メンバー以外の招待国や国際機関などが参加することもあります



比較して、最終的に、次の国々を残した。

北欧がない問題が残るものの、妥当な組み合わせであり、日本少子化対策にも役立つと考えられる。


Country Name

GGIRank

GGIScore

Fertility rate, total (births per woman)2020
Germany10 0.787 1.53
France 15 0.781 1.83
Canada 19 0.772 1.4
United Kingdom 21 0.767 1.56
Mexico 25 0.754 1.905
Australia 44 0.731 1.581
United States 53 0.724 1.6375
Italy 76 0.707 1.24
Korea, Rep. 108 0.672 0.837
Japan 121 0.652 1.34

上の国で計算すると、相関係数-0.71となった。

結果的に、日本と、文化経済規模も近い国々の間で計算すると、非常に強い相関があると分かった。

ジェンダーギャップランキング順位が、低くなる国ほど、合計特殊出生率も低く、順位が高くなる国ほど、

出生率も高くなることが分かる。

まとめ

ジェンダーギャップランキング順位が、少子化指標として卓越していることが、

今回の計算でも示すことができた。

日本ジェンダーギャップランキング順位は、2020年は121位に低迷している。

岸田が、ジェンダーギャップ改善することで、少子化対策として、異次元効果を持つことが期待できる。

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