24歳で,付き合っている人もいるのだが,結婚して自分が家庭を持っている将来像を描けなくて困る
自分の父親が父親としてかなり立派だからなのかもしれないと最近になって思い始めた
全てにおいて完璧というわけではなくて,いろいろと残念なところもある.それでも,父親が自分にしてきてくれたことを,自分が将来生まれてくる子ども達に同じようにしてあげられる自信が全くない
平日は夜遅くまで残業をして帰ってくる.新卒で入社した小さな金融機関にずっと勤務していて,今は総務部の部長をしているらしいのだが,仕事の話を一切家でしないので,会社でどれだけ大変な思いをしているのかも分からない.
だから,自分の抱えるストレスや重圧を,子である自分が感じることはなかった(ただ,「家にいるときくらい電話には出たくなくなる」と言って休日に家にかかってくる電話に出ることを避けようとはしていたのだが,本当にこれくらいのもの).
母親に辛くあたるなどということは決してなく,表面的には表さないけど家事をこなす母親に対して感謝の気持ちを十分に持っていることは子どもながらに感じていた.それだけに,母親が作った料理に文句を言ったりする姉に対してはかなり厳しく叱ることもあった.
休日も土曜日はほとんど仕事,それでも予備校に通う自分を駅まで送り迎えしてくれていた.申し訳なさを感じていなかったわけではないので,「自転車で行くよ」と自分も言ったけど,「この風では大変だから」などと言って結局車を出してくれていた.
そんな生活をしていたら日曜日くらい何もしたくなくなりそうなものだけど,ほぼ毎週,車でどこかに連れて行ってくれていた.
ほぼ毎晩家で酒を飲んでいて,それが明日への活力になっていると本人も言っているのだが,その程度で毎日の仕事へのモチベーションを保てているというのは今になって考えると本当に尊敬に値する
だが,それ以外にストレスのはけ口になりそうなことはほとんどしていなくて,ギャンブルもしないし,スマホもほとんといじらないし,休日に誰かと飲みに行ったりもしないし,平日も代行で帰ってくるなどということは数年に一回あるかないかくらい
たまに一人でバイクでどこかに出かけているみたいだけど,それ以外に趣味があるのかと心配になってしまう
中学生や高校生の頃は,世の中の父親とはだいたいそういうものなのだと思っていて,大学生になってから友達と家族の話をしているときに「うちの父親ほどいい親はいないんじゃないか」と思うようになった.
そんな父親と比べて,自分は付き合っている人を大事にできているかというと自信が持てないし,疲れにうまく対処できていないし,自分の生活で精一杯になってしまっている.
家族を背負って生きていける自信がない.
尊敬するという言葉は軽々しく使うべきではないけど,父親のことは心から尊敬している.自分もいつか父親のようになりたいと,最近は強く思うようになった.
こんな自分でも家庭を持つと変われるのだろうか.父親も自分くらいの年齢のときはこんなものだったのか.そんなことを考えると,将来がとてつもなく不安に感じられてくる.
君はまだ子供だな。