2016-10-03

ヤフー新卒一括採用廃止革新か? 本年度の新卒採用の闇

本日ヤフー新卒の一括採用撤廃を発表した。

  

就活を終えたばかりの4年生はこれを聞いて、「内定者に逃げられたから、新卒一括採用を止めたんでしょ」と言う。

また、「ヤフーでは半分近くの人が内定をもらってから、蹴ったみたいだ」と聞いた。

現にヤフーでは、前年度にはなかった、6月を過ぎてからの追加採用が行われている。

半分という数字に確証は持てずとも、相当数の辞退者が出たことが想像できる。

これだけ聞くと、「ヤフーの人気が落ちたのか?」ともとれる。

  

実際、ヤフー新卒採用中途採用に比べて人気がない。それは、人気企業ランキングから見て取れる。

なぜ人気がないのか。それは単純な話で、「新卒採用に優しくない会社だ」と評価されているから。

ヤフーはあまり新卒を育ててくれない、そのため新卒年収は同列の他社に比べて低い。即戦力になる中途をとって、会社を維持している。ヤフー受験する新卒生たちは、OBOGからこのような話を聞き、理解している。

しかしこの辞退者続出の事態は、ヤフーに限った話ではない。

今年の新卒採用は、どんな大企業も多くの辞退者に悩まされていた。

本来であれば内定式を行うはずの今日を過ぎても、採用活動を行っている大手企業が多く存在しているのがその証拠である

 

なぜ企業追加募集をしたのか

現役の大学4年生たち、2017年4月入社予定の学生就活スケジュールはかなり異例だった。

2016年3月情報解禁

2016年6月選考解禁

内定を出し始めるのが6月と言いながらも、多くの企業3月から学生との接点を増やし、「選考という名前ではない選考」を行っている。

まり、実質の就活の期間は、3月から6月初旬までの3ヶ月ちょっと

多くの学生は、その3ヶ月ちょっとで、できるだけたくさんの内定をもらうために奔走していた。

本来であれば、内定の受諾は「行こうと思っている会社」にするべきものである

しかし、今年に関しては期間が短く、「どの会社に行こうか」と悩んでいるうちに、就職活動が終わってしまう。

そのため就活生たちは、「6月まではできるだけたくさん内定を受諾し、全部受け切った後、会社主催する内定イベントなどに参加してから判断しよう」と考えた。

まり、行く気のない会社の「内定イベント」に参加する就活生が多くいた。

人事の側からすると、晴天の霹靂だ。

多くの企業選考が終わった7月になった途端、今までなんの素振りも見せなかった学生たちが一気に内定辞退の電話をかけてくるのだ。

選考通過も喜び、その後の内定者の集まりにも積極的に参加していた学生が、いきなり手のひらを返してくる。

もちろん、もしものために企業採用人数より多めに内定を出す。

しかし今年は、その「もしも」を大幅に超える辞退が続出し、多くの企業追加募集実施せざるを得なくなった。

結果として、優秀な学生をとる大企業であればあるほど、直前になってから内定辞退者が続出したのだ。

 

まとめ

この「内定辞退者続出問題」が、直接今回の「新卒一括採用廃止」につながったとは思わない。

ただ、一因になったことには違いないのではないか

残念なことに、現大学3年生が挑む次年度の就職活動も同様のスケジュールが予定されている。

企業側は今年の反省を踏まえ、必要人数の採用をしなければいけない。

ヤフーのような「新卒に期待しない」という手段に打ってでるのか、はたまた別の手段か。

来年採用活動も、企業間の争いが熾烈になることは間違いない。

  

  

トラバhttp://anond.hatelabo.jp/20161003212559

記事への反応 -

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん