という話に友人と話していた時になった。話の流れとしてはその直前に樋口一葉の「うつせみ」について話していたからだ。
「うつせみ」には恋する人、植村が自殺してしまい、そのことがきっかけで発狂してしまった女、雪子を、結婚する予定で養子に入った男、正雄や雪子の両親が困惑しながらなんとか雪子を正気に戻そうとする様子が淡々と描かれている。雪子は狂気により現実を認識することなく、死んだ男に会わせて欲しいと言ったり、死んだ男に対しひたすら謝り続ける、意味のないことを話し続ける。小説内ではどのような経緯で雪子が狂ったか、恋する人が自殺したかなどは明言されず只雪子の狂気とその周りの困惑する人々の様子が描かれている…大体そのような話だ。
雪子が発狂してしまった原因は、恐らく家を存続させるための意に沿わない結婚、そして植村の自殺によるものと考えられる(文中で明言はされてないのであくまで推測である、人によって解釈が分かれる)あまり当時の価値観には詳しくないが、それでも女性の不自由さはなんとなくわかる。
でも今日友人と「雪子の立場は今からしたら羨ましいよね!」という話になった。雪子の両親、そして婿になる予定の正雄もお金持ちである。雪子は結婚し世継ぎを産めば安定した生活が手に入れられるのである。結婚、仕事に自由はないし、雪子程お金に恵まれた家庭は明治に一握りだっただろうとは言え…。
現代では仕事はしなければならないし、それでも安定した生活が手に入るとは限らないし、子供は最低限大学、専門まで行かせないと働き口がないから子育てにお金もかかるし…そもそも内定が出ないし…
家の圧力をほのめかしている(とも読める)作品を読んでこんなことを思うのは皮肉だと思った次第である。
因みに樋口一葉の一生自体は、父親に先立たれ女所帯で厳しい生活をすることになる、24歳で亡くなるなどなかなか波乱万丈で驚く。そして作家活動が累計5年くらいで、しかも「たけくらべ」など有名な作品のほとんど全てが亡くなる直前の1年間で描かれているというのも更に驚く話だ。
追記
自分の描き方が悪くて「金持ちな点が羨ましい」という文になってしまったようだ。だが自分が本当に羨ましいと思ってるのはそこではなく「当時の大体の女性がが結婚し、家庭にこもる存在だった」という点が羨ましかったのだ。多分当時って結婚しない女性は殆どおらず、大体結婚させられるか後はまれに女中or遊廓に出される…くらいだったんじゃなかったか。当時の女性には自由も人権もなく、それ故雪子は発狂してしまっている…が、職につけるかも怪しい自分とっては充分羨ましい立場である。仕事は出来ないし差別やら厳しい風潮もあっただろうが、妻として母として当時の女性は家という存在を支える存在になれる。
一方こっちは定職にも就けず結婚も職についてなければ絶望的だし、内定がなかったらニート一直線である。何ものにもなれない只の穀潰しである。自由はあるといえばあるが、職に関しては無いように思う。売り手市場は早慶上智さんだけが恩恵を貰える奴。
雪子な立場は本当に悲しいものだと思うが、自分がその立場だったらもう即正雄と結婚すると思う。
とはいっても私も当時の情勢に詳しくないのでだいぶ夢を見てるが…でもやっぱり羨ましいと思うのである。内定の無い奴の僻みである。
今よりずっと「しょうがない」が多かった時代ですからね。 ・親が決めたことだからしょうがない ・貧しいからしょうがない ・女だからしょうがない 今は自由な分「選んだのはあなた...
責任を負いたくないなら付属品でいろってこったね。 よかったな、平塚雷鳥にでも感謝しとけよ。
権利だけは男女平等にもらい 義務責任を同じだけ果たさず、果たすつもりもない寄生虫が多いだろうが 先日の話が良い例 「京大出て専業主婦なんてもったいない」と言う人は、じ...
こうして専業主婦を「寄生虫」と罵るのはフェミ嫌いのミソジニー男なのに、なぜかフェミニストが主婦叩きをしているということにしているアンチフェミとぶつからないの、ほんと笑...
フェミニズムの定義を理解してないんだろ
http://anond.hatelabo.jp/20160525224521 地方は明治時代からそんなに女の扱いが変わってないのだな。 関東だけだぞ、女にまともな就職口が有り、外に遊びに行く権利が有り、結婚を強要されな...
当時の女性には自由も人権もなく、それ故雪子は発狂してしまっている…が、職につけるかも怪しい自分とっては充分羨ましい立場である。仕事は出来ないし差別やら厳しい風潮もあっ...
「大体結婚させられるか後はまれに女中or遊廓に出される…くらいだったんじゃなかったか。」 「ぶっちゃけ1番羨ましいのはクレヨンしんちゃんとかちびまる子ちゃんとか辺りの専業主...