トピシュ先生が仰ってたんだけど、
トピシュ先生だって、お医者の免許は持っておられそうな気がしますし。
ところがこの「専門医」っていう称号は、医者自身から信頼されていませんでした。なぜなら50歳以上ならほぼ何もしないでもらえた代物だからです。
それ以下の人は一定の研修を終えればもらえます。難しいテストがある称号もあります。
しかし「学会」が「専門医」を発行する仕組みはそもそも良くないのではないか、それは一種の利権なのではないか、という反省があります。
誰が専門医を発行することになっても、そこには必ず利権が存在しますので、悩ましい問題だと思います。
そしてこのランチイベントは、某社が専門職領域である種の利権を獲得しに来たんだな、その末端でこんな脅しをしているのか、でも実力ありまくりのエンジニア相手にやらかしちゃったなという印象を持ちました。医者の世界ではバリバリの専門家だったら、外に出ること(日本を去ること)は考えますが、日本で何か新しいシステムに組み込まれることは関心がないでしょう。
やるならば、このイベントの最終目標は世界にあることを示すべきだったかもしれません。
将来日本で、学会と専門医を切り離す議論が行われるとき、それを厚生労働省の外郭団体として作るのか、あるいは労働省、総務省、文部科学省あたりが絡むのか、わかりません。
ああ、新たな天下り先が出来るんだなあ、みたいな感慨しか持っていませんでした。
しかし某社は医者の転職市場が美味しいことは見抜いています。なんたって、一人転職させれば500万円ですから、企業のエグゼクティブのヘッドハンターより安いけれどはるかに簡単なお仕事です。彼らは専門医利権の中に入ってきたいでしょう。私はそれでも良いと思っています。
はてなもそれなりにエンジニアから一目置かれる存在ではあるとおもうのです。学会みたいなものなのかもしれません。
イベントやミーティングを行うことも大変有効な活動ではないかと思いますが、その協賛をだれにしたらいいのか、という話です。
うちらの世界では公共性を保つために、一社に頼むことはしません。必ずライバルになる複数社を呼んで同時にプレゼンしてもらいます。
製薬会社一社に頼むのであれば、あれは「◯◯の会だ」と誰しもわからねばなりません。
製薬会社にはそれぞれ「誇り高い会」っていうものがあって、その内容が常に注目される研究会というものも存在します。これは医者の接待をするよりもはるかに有効だと思いますが、そこまで医者に信頼されるようになるには、演者は製薬会社と癒着していないことを示さねばならず、伝統も必要です。なかなかすぐに作ろうとしても無理です。でもやるなら今からはじめねばなりません。
だからはてなランチイベント=スポンサーは一社ってのはうちらの業界的にはアウトです。さらに公共的っぽいイベント名で無料だったらアウトです。
きっと優秀な人が集まったのでしょうね。うちらの世界では研究会後のほっとした雰囲気で新しい発想が生まれたり、素晴らしい才能をもった若い先生を見つけたり、いろいろな楽しみがあります。
今後のご多幸をお祈り申し上げます。