2023-10-16

アイドルになりたかった

25歳、一児の母。アイドルになりたかった。

寝かしつけをしながら、お風呂に入りながら、そう考えてしまうことがよくある。

最初アイドルになりたいと思ったのは、18歳の頃に欅坂46にハマったから。妹と同い年のセンター平手友梨奈に惹き付けられた。そこから他の女性アイドルもどんどん好きになっていった。

18歳の私は、高校卒業してそこそこ良い会社で働いていた。我が家お金がなかったので高校卒業したら働くように、と口を酸っぱくして言われていた。だから、言われた通りにしてた。

しかし、18歳にしてアイドルを目指したくなってしまった。どうせ落ちるし、そもそも社会人一人暮らしの私には親の意見など関係ない!と急に芽生えた自我。色々なオーディションに応募し始めた。

アイドルグループオーディションの1次審査に通過した。2次審査に行きたかったのだが、行けなかった。

2次審査の日程が4月初旬で、その時ちょうど知り合いに紹介してもらった職場転職した。その最初の出勤日と重なっていた。

オーディションには行きたいが、紹介で入ることのできた転職先に初日から行かない訳には行かない。諦めた。

その年に、付き合っていた方からプロポーズを受け結婚した。夫のことは今でも大好きで、人間として尊敬している。結婚という選択が間違いだったと思ったことは今までに1度もない。

結婚以降は、アイドルオーディションは受けていない。

アイドルは無理でも歌が好きだったので、大きめのカラオケ大会の予選に参加したりなどした。

大会に出ることは叶わなかったが、予選終了後に1人呼び出され、芸能事務所の方から名刺を頂いたことがある。その時に、結婚していることを伝えた。もちろんそれ以降は何の連絡も来なかった。

時が経ち、今年出産をした。

娘は本当に可愛いくて、この子の為に生きていくんだと決めた。

それまで自分人生だったのが、娘のための脇役になる。それはとても幸せで、夫婦ともに望んでいたことだった。しかし、育児自分の思い通りにならないことばかりで、逃げ出したくなることがある。

そういう時にふと、あの時オーディションに行っていれば、なんて考えてしまう。歌を評価されたこともあるし、遠い夢ではなかったはずだ、と。

現実逃避、ないものねだり。

それはわかっている。

25歳という年齢は、また現役アイドルがたくさん居てテレビを見る度キラキラしている。自分はどうだろう?毎日育児ヘロヘロで、体型も崩れてきたし、抜け毛や肌トラブルも多い。

出産前の自分とは別人だ。

羨ましい。

アイドルが羨ましい。自分もこうなれるチャンスがあったのに。

もしアイドルになった自分が居ても、センターで輝いてるとは限らないのに。

でも、未だに夢見てしまう。

  • もう親なんだから、ワナビ根性はさっさと卒業しとけよ。   トップ層にいるってことは、遠い夢ではなかったとかいうお前と同等以上の才能を持った奴が、育児ごときでヘロヘロになっ...

  • Vtuberやればええやんけ 年齢も何も関係あらへんで

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