2023-09-11

エブエブは完全に増田映画だった

ネットフリックスでエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスを見た。

 

これは完全なる増田映画だ。

 

俺は増田だ。

そこそこバズったことのある増田だ。

時には年収1000万増田だし、世帯年収600万増田だし、年収300万以下増田だし

フェミ増田だし、アンフェ増田だし、ミソジニー増田だし、反共増田だし、反与党増田だし

システムエンジニア増田だし、教師増田だし、技術者増田だし、公務員増田だし、

反ワク増田だし、アンチ反ワク増田だし、科学信奉増田だし、アンチ科学増田だし

新婚増田だし、限界婚活増田だし、彼氏増田だし、彼女増田だし、兄増田だし、妹増田だし

増田だし、夫増田だし、クンニ増田だし、下方婚増田だし、ポリンキー増田だ。

俺はインターネットを通じて得た知見を基に様々な増田になった。

俺以外にもいるはずだ、別の人間の知見にフリーライドしてさも何者かになったかのように

増田に書き込んでバズを狙ってきた奴らが。

 

この構造は完全にエブエブと一致する。

 

監督ダニエルズが公言している通り、

エブエブのキーになるマルチバースインターネットメタファーだ。

我々はインターネットを通じて今の自分ではない様々な情報知識経験を得ることができるし

様々な人になりきることもできる。

そのすべては「もしかしたら自分だったかもしれない誰か」だ。

しかし、そうして「すべてを知った」時に訪れるのは完全なる虚無だ。

「すべてを知った上で本当に得られる知見」というのは

自分は何者でもない単なる矮小増田しかないということだ。

 

そうして俺はあらゆる人間になって、そうしてそのあらゆる人間の敵と対決した。

常に増田を通じて対立煽り、バズり、相手を打ち倒した気になることで自己確立を目指した。

が、それは間違っているとこの映画は言っていた。

 

作中で対決によって物事解決しようとするエブリンに対し、夫のウェイモンドは

「Be Kind(優しくしようよ)」と訴える。

俺にはそう言ってくれる人間は誰もいなかった。

俺が最初に訪れたマルチバース(通称2ch)ではすべてが闘争だった。

 

で、その辺で寝ちゃったのでエブエブの最後のほうはよく覚えてないんだけど、

うーんこ、れは増田映画だなぁと思ったのでこれを書いた。

  • ぉぉぉ!! 予告編が面白そうな映画だったやつだ。 本編は見逃していたので、今度見てみるわ thx

  • エブエブのマルチバース設定ってインターネットのメタファーだったんだ。気づかなかった。

  • あの映画、ゴミみたいなテンプレの家族愛描写さえなければ面白いんだけどな。

  • 肉体はゲノムの乗り物でしかなく、脳はミームの乗り物でしかない 自分が空っぽだと思う心すら誰かからの借り物でないとどうして言える

記事への反応(ブックマークコメント)

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