マチアプ経由でしりあって、付き合うことになった彼女と旅行にいってた。
旅行するくらいの仲にはなれた、とはいえまだお互いなぜか敬語が抜けきれず、会話もなんとなく途切れたりして、距離感もめちゃくちゃ親密とまではいってない。
実際のところ、本当に好きなのかもお互いさぐりさぐりのような感じだった。
妥協と思ってないか自分を疑ったり、相手がそう思ってないか疑ったりしているようなところがある。
旅先でもお互い無言で歩いている瞬間があって、ちょっときまずいなと思いながら信号待ちしていたら、幼稚園か保育園のが送迎バスが停まっていて、車体に「はちす会」とだけ書かれていた。
自分は普通にその言葉の意味がわからず、特に深く考えもせず、「はちすってなんですかね」みたいなことを言った。ハチ巣?みたいなイメージ。
そしたら彼女がふつうに「ハスですね」と言い、加えて「もしかしたらお寺さんが運営してる幼稚園とか保育園かもしれないですね」ともいった。
バスの車体に書いてるくらいの一般的な言葉を知らなかった恥ずかしさとかもあったけど、それより、同じ文字列を見ても得られる情報が人によって全然違うことのほうがショックな感じだった。
一瞬でここまで差がある。
その場でそう思ったことと、普段から彼女のほうが自分より言葉やものを知ってるなと思うことも多いので(疑心暗鬼になる理由なのかもなと思う)それも言ったら、彼女は、そんなことないですよーといった後「私は数字ほんとによわいし、分数の計算とかもうできないので…数字に強いほうがすごいと思います」みたいなことを言っていた。
自分の仕事はどっちかといったら理系分野だが、なぜ分数の計算がたとえで出てきたのかはよくわからない。
正直に彼女に対するコンプレックスみたいなものをそのとき打ち明けて、でも流れで彼女の苦手なこともきけて、それは自分にはできることだったから少し気が楽になってしまった。
皮肉というか、あさましいような気もするけど、正直ほっとしてしまった。
いい話やん