2023-04-07

家業を継ぐということ

66歳の父、自分28歳。

実家建設業をやってて俺が生まれときにはその社長をやっていたらしい、今もやっている。

父は自宅自分中学高校ときは成績が少しでも悪いと食事のあと酒を飲んで言いたいことを言ってこちらの話を聞かない、というのが世の中の大人たちの当たり前だと思ってたし、自分自身もそうなるもんだと思っていた。

高校3年のときに塾に行かせてもらい、そこで友人や先生などと家庭の話をし、自分実家は金はあるがその他は何もないことに気付かされたとき自分実家幸せな家庭ではなかったと理解した。

しかしたら塾に行けること、友人がいること、お金があること、が世間から見たら幸せなのかもしれないが自分主観では幸せとは程遠く、家に帰れば酔った父が罵詈雑言暴力などは当たり前だった。今思えばDVに近いのかもしれない、他の家庭を知る機会がないからわからないが。

そして6年前に大学卒業させてもらう直前に、今まで上から目線しかしたことのない父が「会社を継いでくれ」と頼んできた。

人生でそんな姿を見るのは初めてで、俺が大学に行かせてもらった4年間でもしかしたら変わったのかもしれない、もしかしたら仕事と家庭は全く違うのではないか、と心がゆらぎ実家に戻ってくることにした。

だが何も変わってなかった。変わってないどころか、自宅で酔ったときにしてくる対応がほぼ同じで、ただ怒鳴られる時間が増えただけだった。

66歳の人間がたった4年間で変わるわけがない。そう実感させられた。

社会に出て6年、この間に祖母認知症悪化自分の母が面倒を見ている。父の親であり、言い方は悪いが母には全く関係がないのにだ。

そして自分仕事があるという言い訳をし、会社に出勤したことにして遊び歩いている。祖母の面倒は母に仕事を辞めさせて丸投げである

その状態で、父がガンを発症した。膵臓がんだった。

転移やその他にも転移したが、抗がん剤や手術がすべてうまく行き、また会社に復帰することになった。あのとき死んでいてくれれば、と今は切に思う。

そして今現在、ガンがまた転移して体調を崩し一人で歩けなくなりかけていて、今はその治療のための病院へ向かう道中でこれを書いている。

会社をどうするのか、今後どうする予定なのかを聞いたところ、お前には継がせる気はない。とのことだった。

はいったい今まで何をしに地元に、実家に帰って家業を継ぐための準備をしていたのか。

自分には兄が二人いる。兄たちは自分より優秀なので、きっと俺ではない二人が継いでくれることを父は信じていて、俺は予備でしかなかったのだろう。

田舎家業を継ごうと思っている人間は、気をつけたほうがいい。

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