2023-01-19

[]インタビュー長期金利の変動許容幅、今夏にも「0.75―1%」=伊藤コロンビア教授

東京 19日 ロイター] - 伊藤隆敏コロンビア教授は19日、長短金利操作イールドカーブコントロール=YCC)を伴う日銀金融緩和政策について、今夏にも長期金利の変動許容幅を上下0.75%や1%に再拡大する可能性があるとの見方を示した。ロイターとのインタビューで語った。

日銀が昨年12月の金融政策決定会合で変動許容幅を上下0.5%としたことについては「出口への一歩ではないとする(日銀の)説明は苦しい」と指摘した。

そのうえで伊藤教授は「靴を履き、コートを着て(正常化に向けて)準備している段階」と日銀の状況を形容し、賃上げなどの条件が整えば許容幅の再拡大に向けて「夏までの間に一歩踏み出してもおかしくない」と述べた。

長期金利の変動許容幅は「上下0.75%や1%が選択肢になる」との認識を示した。マイナス金利撤回についても、物価次第で「年内くらいにはあり得る」とした。

大規模な金融緩和正当化してきた政府日銀政策協定を巡って「1%や3%にするとか、そういう話ではない」と言及し、物価安定2%目標理解を示した。

物価2%目標について、可能な限り早期の達成を期待する記述に関し「中期的、安定的に」と見直す余地があるとする一方、「それ以上、大きく変える必要はない」との考えを述べた。YCCを撤廃する場合には新たな執行部による「総合的な検証必要になる」との認識も示した。

近く提示される正副総裁人事については、有力視される日銀出身からの登用が適切かどうかも含め、コメントを控えた。

伊藤教授は2008年に日銀総裁候補に浮上したが、民主党(当時)の反対多数で同意を得られなかった。黒田東彦日銀総裁財務官時の副財務官を務め、経済財政諮問会議民間議員を担うなどした知見から、同氏を含めた日銀新体制を予想する声がある。

https://jp.reuters.com/article/takatoshi-ito-interview-idJPKBN2TY048

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん