2022-12-21

五円玉が好きだ

一円玉・五円玉・十円玉・五十円玉・百円玉・五百円玉の6種類の硬貨日本にあるが、その中でも特に五円玉のデザインが好きだ。

まず色がいい。

金色だ。

他の硬貨銀色や銅色なのに五円玉だけが金色をしている。

金・銀・銅と三種類の色があれば、やはり金色がいい。

金そのものを全く含んでなくてもだ。

それに穴があるのもいい。

穴によって硬貨らしさがより高まっているし、見た目や手触りで判別性もある。

かつては穴にひもを通して硬貨を持ち運んだり保管したりしていたそうだ。

文銭を1000枚紐で通したものを一貫文と呼んでいたのだ。

さすがに現代において硬貨に紐を通す人はいないと思うが、それでも穴のある方が硬貨としての機能美を感じられる。

同じ穴のある硬貨に五十円玉があるが、デザイン面ではやや残念なところが多い。

硬貨の素材は百円玉と全く同じなので面白みに欠ける。

表面のデザインは見事な菊が書かれているものの、真ん中の穴によって左右に分かれてしまっているのが残念だ。

裏面のデザインでも、百円玉と同じで額面を示すアラビア数字と発行年が書いてあるだけの味気ないデザインとなっている。

一方で五円玉はどうだろうか。

表面のデザインでは真ん中の穴を利用して歯車が書かれている。

穴を意匠に利用する発想も素晴らしいが、歯車日本国の工業を示しているのもいい。

穴によってデザインが阻害されている五十円玉とは大違いだ。

そして、下半分は横線で海を表現しており、上半分は頭を垂れた稲穂が描かれている。

それぞれ、日本水産業農業を示している。

日本のことをよく知らない人に対して、五円玉の表面を示すことで様々なことを伝えることができる。

黄金の輝きから日本では金の産出のあることを。

歯車から、高度な工業技術を。

から日本が海に囲まれ島国であることを。

稲穂から、米が農業重要位置を占めていることを。

稲穂の頭を垂れた形が、真ん中の穴(歯車)に沿ってきれいに収まっているのは意匠の妙だ。

硬貨の色が稲穂の色を示しているのもいい。

五円玉の裏面のデザインシンプルだが、両サイドに描かれている双葉が良いアクセントになっている。

五十円玉や百円玉の裏面が、のっぺりとして味気のないデザインになっているのとは一線を画している。

わずかな意匠によって全体を引き立たせているのは、女性ショーツにおけるリボンに相当するといっても過言ではない。

双葉は、第二次世界大戦を終えた日本民主国家として新たに萌えゆくさまを象徴しているという。

現在流通している五円玉の発行開始は昭和34年だが、デザイン昭和24年発行開始の旧五円玉をほぼ引き継いでいる。

旧五円玉は書体楷書体で筆で書いたように見えるから、フデ五と通称されている。

他の違いは、裏面の日本国の「国」が旧字の「國」になっているだけである

現在流通している硬貨の中でデザインが最も古いのは五円玉である

ちなみに、旧五円玉の発行当初は、旧日本軍で用いられた薬莢や弾帯をスクラップして鋳造された五円玉も多かったという。

五円玉のデザインの素晴らしさはもはや語るまでもないことだが、発行開始当初の鋳造過程を鑑みても、当時から日本国の貨幣としてふさわしいデザインだったことは想像に難くない。

  • ワイも金ピカなの好き 得した気分になる

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