ひとつは言うまでもなく、日本、そして日本人に向けてのメッセージ。
ウクライナにおける戦争は決して日本に住む人々にとって無関係なものではなく、すぐ隣にある戦争であり、ここで日本がしっかり発信しないと厄災は日本にも襲いかかる。
もうひとつは世界に向けてのメッセージ、こちらは日本から発信する意味を考えてのものになる。
ゼレンスキー大統領がいま一番訴えたいことは第3次世界大戦の恐怖、そしてその前線で戦っているウクライナへの連帯だろう。
第3次世界大戦の恐怖とはなんだろう。
いまウクライナが受けている残虐非道が世界中に広がるのももちろんあるが、なんといっても核戦争だろう。
唯一の被爆国である日本で、広島・長崎が受けた惨劇を訴えれば、日本はもとより世界がその悲惨さを思い出すだろう。
そしてもし、いま核戦争が起これば、その被害は広島・長崎の例ではなく、世界の主要都市に壊滅的な被害を引き起こす事に思いが及ぶだろう。
ゼレンスキー大統領のアメリカでの演説では、真珠湾攻撃が引き合いに出された。
これはもちろん、アメリカ人の心に訴えたものだが、先に”Remember Pearl Harbor”を出す事で、後の”No more Hiroshima、No more Nagasaki”を出しやすくする意図もあったのではないか。
日本では真珠湾攻撃にショックを受ける人が多かったが、広島・長崎への原爆投下への言及はアメリカ人にとって、もっとショックが大きい。
先に”Remember Pearl Harbor”があれば、多少なりとも緩和する効果があるだろう。
またこれは、(日本とアメリカにとっての)第2次世界大戦の最初と最後でもある。
さしずめ、”Remember Pearl Harbor”はウクライナが受けた理不尽な攻撃、”No more Hiroshima、No more Nagasaki”はこれから世界が受ける惨劇と言ったら、言い過ぎだろうか。
核の恐怖を語るうえで、フクシマも引き合いに出されるかもしれない。
ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ……これは実際に日本が受けた厄災であり軽々と発信していい事ではなく、もし演説の中で取り上げられるとしても、どう取り上げられるか不安はある。
また、ゼレンスキー大統領が実際に日本の国会で核の話をするとは限らない。
それでも、世界に発信する場を提供する事は、日本が世界に向けてできる事であり、大袈裟ではなく日本の責務だと思うし、国会がその責を果たそうとする事に賛辞を送りたいと思う。
国ごとに都合のいいことを言ってるだけ という印象にしたら差別意識を無かった事に出来るから
これまでいろいろ大使&大使館やらかしてるけどまともに反省してないよね それらにちゃんと反省や釈明しておけば真珠湾発言に悪意がなかったととってくれる人も多かっただろうに ...