2022-03-04

創作課題黒歴史

中学生の頃の思い出。ある時読書感想文課題があり、当時作文が、特に読書感想文がどうしても苦手だった私は代わりに創作文を書くことにした。本を読むことは好きだったが、読んだ感想というものがよくわからず、それならば一層のこと最初から自分で考えた方がまだ簡単だろうという目論見だった。創作なんてしたことは無かったが、何故か当時の自分は自信に満ち溢れていた。だが、実際に考え始めると、物語を考える行為は予想していた以上に難しく、結局ゲームの設定の世界クエストをやるような、今で言うなろう系の成り損ないのような話を書くことになった。そうして出来上がった内容は、村人である主人公が仲間と薬草を取りに冒険に出る、みたいなものだった。文章主人公したことの箇条書きでしかなくて、小学生自由帳に書き殴ったかのような内容とクオリティだったと思う。それでも、当時の自分は完成させて、書き上げた物語にとても自信を持っていた。そして私は自分物語を見せびらかしたい一心で、同じく創作文を選んだことを聞いたクラスメイトに、参考にしたいから書いた文を見せてほしいと頼んだ。しかし、私はそれを後悔した。当時の創作文の上限は2万字近くだったと記憶しているが、それに届くかに思えるような圧倒的な量と、pixivの人気字書きが書く綺麗な二次創作一次創作に落とし込めたようなクオリティクラスメイト作品は兼ね備えていた。思うに、そのクラスメイト普段から創作活動に励んでいたのだろう。対照的に私の作品は下限ギリギリ原稿用紙数4枚程度を、出来事を羅列したプロットに近い形でなんとか埋めたようなものだった。そんな作品を、私はクラスメイト作品を読ませてもらった後で、お返しに読んでもらおうと握りしめていたのだが、クラスメイト原稿の一枚に軽く目を通すや否や、自分作品が恥ずかしくなって、思わず借りた原稿を返した。そして、そのまま自分原稿用紙を人に見つからないように自分の家へと持ち帰り、ゴミ箱に捨てた。結局、課題は何も出さないまま提出期限を迎え、締切を延長してもらい、怒られて急かされても尚何も出さなかった。ここでこの黒歴史は終わりである。話のオチになるような出来事はとてもないが、あの時自分の書いた文章を恥じた感情が、少しでも今の自分によって弔われていると良いなと思った。今でも自分文章を巧いと思うことはなければ、他人に書かれた優れた文章比較して劣っているように感じることもあるが、それでも自分が書いた文章を好きだと、自分で言ってやることはできるようになったのだから

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