2022-01-05

勝ったのは米国だけ? 「コロナ戦争戦略なき日本の敗北

勝ったのは米国だけ? 「コロナ戦争戦略なき日本の敗北

有料記事

2021/5/13 07:00(最終更新 5/14 14:44)

欧米諸国に比べ、日本新型コロナウイルス感染者数と死者数が桁違いに少ない。しかし、公衆衛生が専門で、政府の新型コロナ対策検証した民間臨時調査会委員長小林喜光・前経済同友会代表幹事)のメンバーでもある東京慈恵会医大の浦島充佳教授は、世界が新型コロナに立ち向かう現状を人類と新型コロナとの「戦争」に例え、「唯一の戦勝国米国だ」と断言する。米国の勝因は何なのか、日本はなぜ敗北したといえるのか。インタビューを進めていくうちに、日本の「盲点」が見えてきた。【聞き手小川祐希】

政府のおかげ」ではない感染抑制

 ――日本はこれまで、新型コロナ感染者数や死者数を比較的低く抑えてきました。どのような対策効果があったのでしょうか。

 ◆私は、感染拡大を抑制してきたのは政府ではなく、国民自助努力のおかげだとみています。このことは、複数鉄道路線乗り入れる乗換駅や、小売店娯楽施設の人出の増減を調べれば明らかです。乗換駅や、小売店娯楽施設で人出が増減すると、それに続いて感染者数も増減するからです。

 政府が初の緊急事態宣言を発令した昨年4~5月を例に見てみましょう。東京の乗換駅では、宣言が発令された4月7日前後で人出が減少するペースに変化がありませんでした。宣言が解除された5月25日の前後も同様に、人出が増えるペースは変化しませんでした。これは、宣言のために人々が行動を変えたわけではなかったことを示唆しています

 実はそれ以前の一斉休校が開始された3月下旬から、乗換駅の人出は減り始めています休校になると、共働き夫婦の多くは、どちらかが在宅勤務に…

この記事は有料記事です。

残り2288文字(全文2971文字

https://mainichi.jp/articles/20210512/k00/00m/040/240000c

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん