2021-10-02

anond:20211002005512

乗用車の電動化はEV電気自動車)ばかりに話題が集中するが、商用トラックの分野では、燃料として積んだ水素で発電して走行する燃料電池車FCV)の導入も確実視されている。

EVよりも航続距離伸ばせる

理由貨物積載時の総重量にある。一般的乗用車の車体重量が2トン以下なのに対し、中型貨物トラックは最大積載時の総重量が10トン前後10トン以上の荷物が積めて長距離幹線輸送使用される大型トラックになると、最大積載時の総重量は20数トンに及ぶ。EV化で問題になるのは、特に重い大型の商品性だ。

仮に現在技術で長距離輸送用の大型トラックEV化した場合、どんな車に仕上がるか。日野によると、乗用車EVとして有名なテスラモデル3」の6倍超に相当する350kWhもの電池を搭載したとしても、最大積載時に1回の充電で走行できる航続距離は300キロメートル程度にとどまるという。

しかも、それだけの電池をフル充電するには、急速充電でも約3時間必要だ。また、電池の重さだけで2.5トンに達するため、重量的な制約により、貨物の最大積載量を現行のエンジン車よりも約1割減らさざるをえない。

「長距離輸送を担う大型トラックなら、少なくとも(500キロメートル離れた)東京大阪間を充電なしで走れるくらいの航続距離必要。1回の充電で走行できる距離が短く、最大積載量も今より減るとなれば、運送事業者に受け入れてもらえない」(日野自動車の通阪久貴・先進技術本部長)

そこで大型トラックでは、EVより航続距離を伸ばしやすく、燃料充填時間も短いFCV技術が注目されているわけだ。走行ルートが決まっていることが多い商用トラックなら、乗用車に比べて水素充填インフラ問題解決やすい。

すでに日野商品化に向け、親会社トヨタFC大型トラック共同開発に着手。現行の「日野プロフィア」をベースとし、車両総重量(最大積載時の総重量)は25トン。アメリカでも同様に現地仕様の大型FCトラック共同開発中だ。いずれも2022年から走行実証を経て、アメリカでは2024年、国内は遅くとも2020年代半ばの量産開始を目指す。

https://toyokeizai.net/articles/-/405611

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